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命を守る「高額療養費限度額引き上げ」で削減できる社会保険料は「700億円」 選挙費用は「850億円」"引き上げは中止できた"SNS投稿が話題「命よりも選挙が大事なのか」患者の声02月04日 17:00

「衆院選費用『850億円』があれば、高額療養費の限度額引き上げ(保険料軽減分700億円・26年予算)は中止できた」 全国保険医団体連合会(保団連)のX(旧ツイッター)への投稿が大きな反響を呼んでいる。 投稿されてから2日で280万回表示。1.7万件のリポスト(拡散)と、「いいね」は3.5万にのぼった。 「高額療養費」とは、病気やケガで保険医療を受け、医療費が高額になった時に、一定額を超えた分が払い戻される公的医療保険制度のこと。 がんや難病などの長期療養患者だけでなく、骨折や盲腸などの治療にも利用されている、まさに国民の“命のセーフティネット”だ。 ところが、昨年末の厚労大臣と財務大臣の合意により、高額療養費の「限度額(上限額)の引き上げ」が決定。 今年8月から、すべて人の自己負担額が増えることになっている。 厚生労働省の試算では、患者の自己負担の増額によって削減される社会保険料は700億円(2026年度)。 衆院選の経費として予備費から支出される金額は855億円。 「財源がないと言いながら、鶴の一声で855億円が用意されました。これがあれば少なくとも1年間は自己負担額を引き上げずに済んだはずです」 Xに投稿した保団連の本並事務局次長に、詳しく話を聞いた。 ■「受診を諦める人」を見込むぐらい財源がなかったのではないのか?

【全国保険医団体連合会 本並省吾事務局次長】 国は、「少子高齢化の進行などで、このままでは社会保障制度の財源が維持できなくなる」と、改革を進めており、高額療養費の限度額(上限額)引き上げもその一つです。 現在の見直し案では、2026年8月と2027年8月の2段階で、患者の負担額の上限が引き上げられることになっています。 引き上げ額は年齢や所得によって異なりますが、最大で38%、ひと月あたり3万円超の引き上げ(患者の負担増)になります。 「患者の負担額が増える」ということは、「国の負担額(社会保障給付費)が減る」ということです。 厚生労働省の試算では、2026年8月から2027年3月までの、高額療養費の限度額(上限額)引き上げによって削減される社会保険料は700億円です。 ■「国民の命をどう思っているのでしょう。本当に必要なものは何なのか」

一方で、政府が衆院選に必要な経費として2025年度予算の予備費から支出を決定したのは855億円。 国民の命のセーフティネットを値上げし、患者たちの苦しみの上で生み出される削減効果は700億円。 ツルの一声で用意されたお金は855億円。 「選挙は必要だけど、高額療養費は必要ない」ということでしょうか。 厚労省は、高額療養費の限度額引き上げによって得られる社会保険料の削減効果の中に、「自己負担額が増えることで治療を諦める人が出てくる“受診抑制効果”」も見込んでいます。 国民の命をどう思っているのでしょう。本当に必要なものは何なのかと怒りを覚えます。 (全国保険医団体連合会 本並省吾事務次長) ■弱い立場の人を切り捨てた上に成り立つ強い経済…意味が分かりません

「高額療養費の限度額引き上げで、治療費で悩み、生死をさまよう人がいる中、855億もかけて選挙をやるとは、いったいどういうことなのでしょうか」 こう語るのは、患者の立場から「高額療養費見直し撤回」を求める活動を続ける水戸部ゆうこさん。 2018年、44歳の時にステージ4の肺腺がんと診断され、手術や放射線治療は出来ず、抗がん剤治療を続けてきた。2人の子供を育てながら闘病が続いている。 【がん患者 水戸部ゆうこさん】 昨年3月、石破政権下で凍結されたはずの高額療養費の限度額引き上げ問題。 わずか1年で凍結が解除され、今年の8月から限度額が引き上げ…つまり、医療費が値上げされることになりました。 そんななか、我々の負担を引き上げることで得られる社会保険料の削減効果700億円より多い855億円の選挙費用。 あれだけ財源がない、財源がないと言っていたのに、なぜ選挙だというとポンっと855億円もでてきたのでしょうか。 私たちが、高額療養費見直しの撤回を求めた時も、「財源がありません。どこから財源を持ってくるか、そこまで話ができないとダメですよね」と言われました。 でも結局、お金はどこかにあったということですよね。本当に国のやり方が信じられません。 ■「病気になった時に安心して医療を受けられる国」に

少子化についてもそうです。 国はたくさん子供を産んで欲しいと言いながら、なぜ出産にも関わる高額療養費を値上げするのでしょう。 妊娠中や出産の時に高額療養費制度にお世話になる人はたくさんいることを分かっていないのでしょうか。 子どもが欲しくないのではなく、子供を産んでもやっていけるのか自信がもてなくて躊躇している人は多いと思うんです。 そういう人たちの背中を押せるような制度にしないと、この先もますます少子化に傾いていくと思います。 今は“負の連鎖”が続いているようにしかみえません。 物価高で、健康でもかつかつで生活している人も多い中、さらに医療費(高額療養費)も値上がると、患者はどうやって生きていけばいいのでしょうか。 「病気になった時に安心して医療を受けられる国」にするためには何が必要なのか、本気で考えて欲しいと強く願います。 (水戸部ゆうこさん)

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