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「時期尚早の“愚策”であると確信」京大・藤井教授 日銀が30年ぶり高水準の利上げ 長引く円安に“歯止め”かかるか12月19日 19:35

日銀は19日、政策金利を0.75%に引き上げることを決定しました。 これは30年ぶりの高水準で、長引く円安に歯止めをかけることはできるのでしょうか。 京都大学大学院の藤井聡教授は、今回の利上げについて「時期尚早の“愚策”」と批判しました。 ■クリスマス前のケーキ店の「複雑な思い」とは

もうすぐクリスマス。この時期、最も忙しくなるケーキ店は今、複雑な思いを抱えています。 【パティスリーカラク 岩崎能久社長】「材料の発注量を抑えて、なるべく在庫を少なくして、原価を抑えています」 (Qケーキの装飾品減らしたり?) 【パティスリーカラク 岩崎能久社長】「そういうことももちろん、多少削れる部分は削って、なるべくコストを下げています」 コストカットに苦心しないといけない理由は、材料費の高騰です。 ■輸入食材に頼る洋菓子業界の苦悩…

今年のクリスマスケーキの平均価格は4740円と4年前より900円以上も上昇。 特に、輸入品が多いバターやチョコの価格が高騰していて、この店で使用しているこだわりのオランダ産のカカオも2年前と比べ、40%ほど値上がりしているといいます。 【パティスリーカラク 岩崎能久社長】「洋菓子業界は輸入食材にすごく頼っているんですよ。今の円安の状況は非常に苦しいです。ケーキも値上げはしたいところなんですけど、一般的な庶民感覚を考えたら値上げはなかなか難しいので」 ■日銀の切り札「利上げ」を発表

高騰の一因となっているのが、長引く円安です。 そんな中、日本銀行が19日の記者会見で発表した「切り札」が。 【日本銀行 植田和男総裁】「(政策金利を)従来の0.5%程度から0.75%程度へと変更することを全員一致で決定しました」 政策金利を引き上げるいわゆる「利上げ」です。 ■利上げが生活にもたらす影響は?

日々の暮らしにメリットとデメリットがある「利上げ」。 日銀が政策金利を上げると、民間の銀行などのローン金利が高くなり、お金が借りにくくなる恐れもある一方で、預金をしている人が受け取る利子は増えます。 そして外国の通貨よりも日本の円を買う動きが進み、円高へと向かい、物価が下がる見込みがあるのです。 日銀は今回、政策金利をこれまでの0.5%程度から0.75%程度に引き上げると発表。これは、30年ぶりの高い水準です。 【日本銀行 植田和男総裁】「今後とも短期金利の変化に対する経済・物価の反応を点検し、金融緩和の度合いを調整していくことが適当と考えています」 ■30年ぶり高水準の値上げで物価高食い止めなるか?

物価高に苦しむケーキ店も円安に歯止めがかかることを期待しています。 【パティスリーカラク 岩崎能久社長】「この円安の状況では、スーパーに並んでいる食材も輸入食材もすべて価格高騰して皆さん苦しいと思うので、もう少し物価対策して円高になってくれたらなと思います」 30年ぶりの高水準となった今回の利上げで物価高を食い止めることはできるのでしょうか。 ■藤井聡教授「『時期尚早の“愚策”』であると確信」

京都大学大学院の藤井聡教授は、今回の「植田日銀」の利上げについて「『時期尚早の“愚策”』であると、これもう確信を持って申し上げることができます」と批判しました。 【藤井聡教授】「もともと利上げというのは、為替に対する影響は極めて限定的です。 そもそもアメリカの金利水準と日本の金利水準が大きく開いているのに、日銀が0.25%上げてもほとんど変わらない。為替というのは別の論理で動いていて、ほとんど影響がない。 もう1つは、金利が上がるとお金を借りている人は損をする。お金を貸している人や、あるいは資産をいっぱい持っている人は得をする。 お金借りている人が誰かというと若年層。それから中小企業。 普通は金利を上げるのだったら、みんなの賃金がしっかり上がって、みんなが苦しくなくなってきているのを確認してから金利を上げるべきなんです。 上田さんは、『来年楽になりそうやから上げます』って言っている。『楽なってへんがな!』と。いやぁ、これは愚策です」 (関西テレビ「newsランナー」2025年12月19日放送)

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