「高市政権2カ月の実績と課題 」政治ジャーナリスト岩田明子が評価するガソリン暫定税率廃止に「花マル」、政治改革は「がんばりましょう」12月18日 16:56
臨時国会が閉会した今、元NHK政治部記者の岩田明子さんが政治ジャーナリストの視点から、高市早苗首相の就任から2カ月間の実績と課題を「よくできました」、「がんばりましょう」の2段階で評価しました。
自民党と日本維新の会による連立政権が掲げた12項目の政策合意は、細かく見れば60項目ほどあり、期限のあるものとないものが混在しています。
■「発足からわずか2カ月で」ガソリン暫定税率の廃止「実行力を評価したい」
岩田さんが最も評価したのは、経済財政政策の中のガソリン暫定税率廃止。
この法案は可決・成立し、50年以上続いてきた暫定税率が、ことし末で廃止されることになりました。
【岩田明子さん】「石破政権の時も自・公・国で合意していましたが、実施時期がなかなか決まらなかった。高市政権はわずか発足2カ月で、ちゃんと年内に実施すると約束して実行した。この実行力を評価したい」
また、国民民主党も主張してきた政策であることから「高市学級を全体でやったという点」も評価。
政権発足直後から国民民主党と会談を重ね、スピード感を持って進めたことを高く評価していました。
年収壁引き上げについては課題が残るものの、「これは政権の枠組み拡大にも将来つながっていくかもしれないので、引き続ききちんと話し合っていくところ」とコメント。
■政治改革分野「速やかに審議しなければならない項目」と指摘
一方で「がんばりましょう」という評価を受けたのは、政治改革。
特に企業団体献金の規制に関する法案が先送りとなった点について、岩田さんは「それぞれの党の成り立ちが違うので、折り合いが難しいのは分かるが、速やかに審議していかなければならない項目」と指摘しました。
最近のキャバクラ問題など政治資金に関する問題が多発する中、「自民党に対して言われているのは、支部が多すぎるということ。支部の数を減らしてクリアにするなど、やり方はいくらでもある」と述べています。
公明党や国民民主党が主張する「本部や都道府県ごとだけに献金の受け皿を限定する」案に自民党が乗り切れない理由について…。
【岩田明子さん】「いきなりというと、これまでより額が減ってしまったり、やりにくくなったりする。また野党にも労組や機関紙からもらっているところがあり、それぞれ成り立ちが違うというのが、自民党の言い分」
透明性の確保については「何に使ったのか、どこから入ってるのかを、きちんと透明にしていくことは間違いなく必要」と強調しています。
■維新の「1丁目1番地」 議員定数削減は審議すらされず
日本維新の会との連立において「1丁目1番地」とされた議員定数の削減法案について、岩田さんは「自民党と維新は本当にピリピリした場面があった」と振り返ります。
法案提出前日まで「トリガー条項(自動削減条項)」を巡って対立。
吉村代表は「1年たっても結論が出ないなら、自動的に削減される条項を入れたい」と主張したものの、自民党側は内閣法制局の見解も踏まえ「法律の形としてなかなか難しい」と折り合いがつかなかったといいます。
最終的に維新側が「飲み込んだ」形で法案が提出されましたが、立憲民主党が「企業団体献金の審議の方が先」として特別委員会での審議入りを認めず、結局審議されないまま終わりました。
■高市政権への「通信簿」と来年への期待
岩田さんは高市政権への通信簿に「激励の言葉」として、次のようなアドバイスを送りました。
1. 「早く学校の近くに引っ越して欲しい」
官邸近くに住み、職住接近で公務に専念できる環境を整える
2. 「お友達をたくさん作りましょう」
秘書官たちとの相性や一緒にいる時間を増やして意思疎通をスムーズにする
「自民党内だけでなく野党とも」関係構築が重要だと強調。現在は維新の遠藤敬首相補佐官と自民の萩生田光一幹事長代行がパイプ役となっているが、そのつながりをさらに強化していく必要があると述べました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年12月18日放送)