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【速報】山上徹也被告に対し「無期懲役」求刑 検察側「被告は善悪の判断ができる40代の成人 不遇な生い立ちがあったとしても被害者とは無関係 極めて著しく悪質な犯行」安倍元総理銃撃・殺害事件12月18日 15:23

2022年に安倍元総理を手製の銃で撃ち、殺害した罪などに問われている山上徹也被告の裁判員裁判で、検察側は「無期懲役」を求刑しました。 求刑が述べられたとき山上被告は手元の資料を見つめて淡々とした様子で、表情を変えることはありませんでした。 ■検察側「被告は善悪の判断ができる40代の成人です。不遇な生い立ちがあったとしても、被害者とは無関係」など指摘検察は「被告の不遇な生い立ちが事実にあったことは否定しないが、被告は善悪の判断ができる40代の成人です。不遇な生い立ちがあったとしても、被害者とは無関係です。極めて著しく悪質な犯行」などと指摘しています。 また周囲には約300人がいたと述べ、「公共性の高い路上で、2階にわたって殺害能力のある銃を、コントロールもできない状況で発射した。類を見ないほどの危険な行為」と指摘し、「みなさんの家族や友人がたまたまいただけて巻き込まれた可能性があった」と訴えました。 被告が「被害者以外には当たらないと思った」と証言したことについても、聴衆の位置や、警備員員の位置は把握していなかったと指摘。「人的被害は1人のみだ、と考える人もいるかもしれませんが、行動責任を考える必要がある」と語りました。 ■法廷で母親や妹が語った信仰による“不遇ない生い立ち”山上被告はこれまでの裁判で起訴内容について「全て事実です。間違いありません」と認め、弁護側が一部の罪の成立について争っています。 また山上被告に「どのような重さの刑を科すべきか」も争点で、弁護側は、母親が信仰し、高額の献金をしていた旧統一教会による「宗教被害」が事件につながったと主張し、山上被告の母親や妹が証人として法廷に立ち、その不遇な生い立ちを語っていました。 <山上被告の妹の証人尋問より> 妹は、子供の頃、母親の信仰に反対していた祖父に家から追い出されたときのことについて、「山上被告と2人で児童養護施設にでも行けばよかった」と涙を流しながら語っていました。 【山上被告の妹】「(祖父から)『出ていけ』と追い出され、家の隣の駐車場に立っていたことがあった。部活帰りの徹也が帰ってきて家に入ろうとしたとき、おじいさんは『出ていけ』と徹也にも言い、徹也は出ていってしまった。私と徹也の2人だけでも、あのとき児童養護施設にでも行けばよかったと後悔している」 <山上被告の母親の証人尋問より> 【山上被告の母】「私が加害者だと思っています。献金を黙ってしていたし、子供たちを置いてほったらかしでやってきたのも事実。教会に尽くしたら(家が)よくなると思ったので。それを利用したのは教会だと思う」 ■検察側は「生い立ちに被害者は関係なく、旧統一教会への注目を集め、批判を高めるために殺害を企てた」一方で検察側は、冒頭陳述で「生い立ちに被害者は関係なく、旧統一教会への注目を集め、批判を高めるために殺害を企てた」などと指摘し、刑事責任は重いという考えを示しています。 裁判の中で山上被告は母親の信仰に反対していた兄が自死した後、旧統一教会へ恨みを募らせ、教団の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁たちの襲撃を考えるようになったと語られ、教団幹部が来日しないことなどから狙いを変えるようになり、「本来の敵は統一教会。安倍元総理は統一教会に対する影響力はかなりあったと思う。それが標的に入った理由です」と法廷で語っていました。 この“襲撃対象の変化”について検察側は被告人質問でつぎのようなやりとりをしています。 【検察側】「(襲撃を)考える中で安倍元首相を襲撃対象に決めた。安倍元首相を狙うことについて、すっきり納得していたのか?『ちょっと違うな』と思っていたのか?」 【山上被告】「あくまでも統一教会が対象。統一教会に賛意を示す政治家の最も著名な人は、意味ないとは思わないが、本筋ではないと思っていた」 さらに別の機会に検察側は「事件を起こすことで報道されたいという考えはあったか」と質問し、「その方が統一教会に打撃を与えられるという意味ではあったと思うので」という山上被告の回答を引き出していて、「生い立ちに被害者は関係なく、旧統一教会への注目を集め、批判を高めるために殺害を企てた」という点の立証を考えていたとみられます。

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