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シンガポールが万博パビリオン一番乗り完成 建設状況をリポート 一方で課題も…万博で働く人が足りない11月27日 21:36

来年4月に開幕する大阪・関西万博。 建設工事の遅れが懸念される中、シンガポールは「建物の外観がいちはやく完成」と発表。 今、万博会場はどうなっているのか、空からの徹底取材で見えてきた課題とは。 ■パリで行われたBIE総会で吉村知事が世界中からの来場を呼びかけ

日本時間の26日午後、フランスで続々と人が集まるこの場所は…。 【記者リポート】「吉村知事がパリ郊外のBIE総会の会場に到着しました。これから世界に向けて万博の進捗をアピールします」 大阪府の吉村知事と、大阪市の横山市長が訪れたのは、パリに本部を置くBIE=博覧会国際事務局の総会。 【吉村洋文大阪府知事】「(万博を)160カ国もの国々の最新技術を結集させ、未来を切り開いていく。まさに未来社会の羅針盤にしなければなりません」 世界中からの来場を呼びかけた吉村知事ですが、気になるのは万博会場に建設される各国のパビリオン。 開幕までに建物の完成が間に合うのか、当初から工事の進捗状況について懸念されていましたが…。 シンガポールがいち早く、「シンボルの外観が完成した」と発表しました。 ■「小さな赤い点」シンガポールのパビリオンが一番乗りで完成

【記者リポート】「会場でもひときわ目立つ、真っ赤な球体とSG(シンガポール)の文字が見えてきました。こちらがシンガポールパビリオンです」 建物の外側の象徴を、巨大な赤い球体にしたのにはある理由が…。 東南アジアに位置するシンガポールは、淡路島よりやや広い国です。 世界地図では「小さな赤い点」に隠れてしまうため、いつしかそれが国の愛称になりました。 そのシンガポールの存在感を、赤い球体で大きく示そうというのが、このパビリオンです。 【オン・エンチュアン駐日シンガポール大使】「“小さな赤い点”を万博会場で作ったら、誰にも気づいてもらえないので、大きな球体にしたのです。大屋根リングのどの位置からも見えるでしょう」 パビリオンのテーマは「ゆめ・つなぐ・みらい」で、「五感で感じるアートを通じて、“夢”を考えるきっかけにしてほしい」ということです。 【オン・エンチュアン駐日シンガポール大使】「シンガポールの歴史を見ることで、来場者はそれぞれの人生を振り返り、自分自身や家族、国家、世界における夢を考えてもらいたいです」 ■海外パビリオンの建設状況は 大きな変化のある国がある一方、着工していない国も

では、シンガポール以外の他の国の工事はどこまで進んでいるのでしょうか? 関西テレビは11月27日、空から今の現場を徹底取材。 【記者リポート】「あちらに巨大なガンダムが見えてきました。大屋根リングの横にいるんですが、いまにも動き出しそうな迫力です」 10月は頭がついていなかったガンダム。今は、完成しています。 さあ、本題の海外パビリオンの建設状況をみていきましょう。

まずはチェコ。 10月9日の映像と比べてみると…。 【記者リポート】「先月までは真ん中の筒状の木造の建物しか立っていなかったが、今では周りにらせんのような通路ができていて、建物がさらに大きくなっています」

そしてアメリカも…。 【記者リポート】「万博の会場の中でも、かなり大きなパビリオンを建設しているアメリカですが、先月までは黒色の骨組みしかありませんでしたが、いまは壁でおおわれていて、屋根もついている状態です」

さらに・・・スイスのパビリオンは地上にあった球体がパビリオンの最上階に合体。 手前の敷地にも円形の土台が登場しています。

さてポーランドのパビリオン。 先月まで、基礎工事を行っているようでしたが、今は大きな建物が建ち始めています。

一方、先ほど紹介したチェコの隣の敷地は、マルタのパビリオンの予定地なのですが…。 【記者リポート】「上空から見ても、マルタに関しては、建設が進んでいるような状況は見受けられません。ただクレーンや資材などは置かれていて、これがマルタのものなのか、それとも横のチェコのものなのか、上からでは判別できないですが…」 博覧会協会によると、「マルタのパビリオンはまだ着工していない」ということです。 海外パビリオンの建設状況について、博覧会協会の関係者は「数カ国のパビリオンが、開幕時に完成していない可能性はある」と、焦りをにじませました。 ■「万博らしくない」職種で人材の確保に苦戦

さらに、来場者を招く側にも課題が…。 25日、ミャクミャクが姿を現したのは大阪市内のハローワーク。 【警備会社】「バスで来場された方をゲートでチェックして、ご案内、誘導する」 この日、行われたのは、万博会場で働く人を募集する企業が集まった面接会です。 パビリオンのスタッフでは、定員の10倍の応募が殺到するなど、「万博らしい」職種に人気が集まる一方で、会場内の警備員など、一見すると「万博らしくない」職種は人気が低く、人材の確保に苦戦しているのです。

【求職者(60代)】「今回は万博のことだから、気にはなっていて、お客さまの案内もあってという感じで。どうなんでしょう、女性って」 【ゼンコ―サービス 丹好美 関西支社長】「女性大歓迎です。男性が女性の手荷物検査や、金属探知機をすると失礼になる。女性が嫌がるんですね。そうなると、女性が必要になってくる」 この警備会社は、10月から10人程度募集をかけていて、一定の応募者はいるものの、現時点で確約がある人はほとんどいない状況。 求職者に必死にアピールするものの…。 (Q.他社の話も聞いて決める?) 【求職者(60代)】「そうですね。こんなん言って、いいんかなと思うんですが」 【ゼンコ―サービス 丹好美 関西支社長】「厳しいです。まだこれからですけれど、もう時間がないなと。本当に1人でも多く、採用して万博を成功させたい」 開幕まで残り5カ月ほど。 海外パビリオンの建設、さらには、会場内の人材の確保と、課題が残る中、無事に開催することができるのでしょうか。 (関西テレビ「newsランナー」2024年11月27日)

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