こぼれ落ちた給水ボトル、その時…
【2013年・大阪国際女子マラソン】
心に残る思い出の実況や名シーンをお届けします。
福士選手、3度目の大阪でアクシデント
私が振り返る大阪国際女子マラソン、想いでのシーンは2013年の福士加代子選手の走りです。
私は当時、1号車という、先頭手段を追うという役割の実況車でした。
特に印象的だったのが、5キロ地点で福士加代子選手が給水ボトルをとることができなかった場面でした。
所属を超え…手渡された給水ボトル
『今、渋井がとった後の、福士のこの動き…あぁっとこぼれてしまった。こぼれ落ちた給水ボトル。』
(解説の増田明美さん)
『でも逆にこれで目が覚めるかもしれませんね、もっと落ち着かなきゃって…あっ!渋井さんが渡してくれました!』
『そうですね、渋井が渡しました!』
『私の背中を見て、そんな表情で渋井陽子が福士加代子に渡しています。』
「アタシが守ってやんなきゃ」の意味
実はこのレースの前、渋井陽子選手に取材で話を聞いたときには「福士はガラスのハートだから、アタシが守ってやんなきゃいけないんです」なんて話をしていて、それどういうことかなぁと思って中継車に乗ったんですけれども、その給水ボトルをとれなかったことを助けたっていうので、渋井陽子選手の福士選手への愛情というのを感じました。