出前授業

出前授業@立命館宇治中学

2019年4月25日(木)

2019年度最初のカンテレ出前授業は“出前”はせず、立命館宇治中のテレビの仕事に興味のある2-3年の生徒34人が来社しての授業となりました。講師は3人。それぞれの業務から見えてくるメディアリテラシーについて講義を行いました。

【学校からの要望】

昨年、中学2年生に行なっていただいた出前授業のあと、テレビの仕事に興味を持つ生徒が増えました。将来、テレビ局で働きたいという生徒の声も聞くため、子どもたちのキャリア教育の一環として、また実際の作り手との語り合いや体験などで興味関心を広げ、メディアリテラシーを高めてもらいたいと思っています。

【講師】

スポーツ局スポーツ部 田中潤
入社7年目、スポーツ部では、プロ野球阪神タイガースを担当するとともに、2019年の大阪国際女子マラソンの事前ドキュメンタリーを担当。

編成局編成部 島本元信
入社23年目、スポーツのディレクター、情報番組のプロデューサーを経て、現在は、編成部編成担当。昨年度の関西テレビ開局60周年プロジェクトのリーダー。

制作技術局制作技術センター 鈴木智雄
入社26年目、技術畑をあゆみ、カメラマンとしては18年目。現在、関西テレビで最も大きい中継車の技術設計や外装のデザインを担当。

【授業内容】

最初の講師はスポーツ部の田中。

田中は、生徒たちに1年にわたって取材し、制作した女子マラソン選手についての2つの動画を見比べてもらいました。生徒が、「最初の動画は、選手の葛藤とか、大会にかける真剣さが伝わってきた。後の動画は、マラソン大好きって感じで、友達も多くて楽しそうだった。」と話したのに対し、田中は「1本めは、今年1月の大阪国際女子マラソン前日に放送されたドキュメンタリーの一部、もう1本は、スポーツバラエティといわれる分野になる『コヤぶるっ!SPORTS』の女子マラソン特集で流された映像です。それぞれ、放送時間が違いますし、見てもらいたい視聴者層が違います。ドキュメンタリーは、より女子マラソンというものを知りたいと思っている視聴者に、『コヤぶるっ!SPORTS』はこれまで興味がなかった視聴者に興味を持ってもらうためにつくったものです。」と種明かしをした上、「そのために、ドキュメンタリーでは、年越しでさえ練習先の外国で過ごしているという場面を使ったり、ナレーションや音楽は落ち着いたものにしています。画面上の文字も明朝体を用い緊張感を演出しています。一方、『コヤぶるっ!SPORTS』では、女性の声優さんのかわいらしい声でナレーションをしたり、音楽も画面の文字もポップにしています。映像も笑っているシーンを多く使っています。」と解説しました。

生徒からの「ドキュメンタリーを制作するのに、どれだけの日数がかかりますか」という質問には、「取材は1年でも10年でもかかります。オリンピックの選手を幼い時から追いかけている映像なんて、10年以上の取材はざらです。取材しながら構成を考えて、編集には3日ぐらいでしょうか。映像につけるナレーション原稿を書くのに2日とか、そんな感じです」と取材の重要性を説明しました。

2時限目は、編成部の島本が担当しました。

島本は、阪神淡路大震災の年に“がんばろう神戸”を掲げ、プロ野球のオリックスが日本シリーズで優勝したのを大学時代に目にし、筋書きのないドラマに身震いしたことが、テレビ局を志望した理由だと話しました。

情報番組のプロデューサーとして朝9時50分から始まる「よ~いドン!」を担当していた時は、番組で流されるVTRを放送前日までに2回、当日は朝7時台に出社して再度チェックした後に放送を迎え、正しく安全に生放送される事に努めていました。プロデューサーの仕事は、決して華やかなものではなく、番組の“品質管理” “コンプライアンス・チェック” “出演者との向き合い” “予算管理” “災害などの非常時の対応” “トラブル処理”など仕事は多岐にわたると話しました。そして、編成部に移った現在も、立場は違いますが、「関西テレビの番組」として恥ずかしくないものを放送するための仕事をしていると説明しました。

そして、その気分を生徒にも味わってもらおうと、グループに分かれて、番組を企画してもらいました。お題は、「月曜日13時から5分のインタビュー番組を制作します。取材できるのは1人、どんな質問をしますか」です。積極的に意見が飛び交い、企画書に見立てた模造紙がどんどん埋まっていきました。生徒のみなさんが考えてくれた番組の一例です。

『霊長類最強のメシ』取材対象者:吉田沙保里さん。お昼の番組なので、食べ物を扱った番組にする。レスリングの五輪メダリスト吉田さんが試合前、どんな食事をしているか。作り方も取材する。

『みんなの知らない意外な真実』取材対象者:公共施設の自動音声のアナウンサー。平日のお昼時にテレビを見ている人は主婦やお年寄りが多いので、その人たちに興味のある内容の番組にする。多くの鉄道の駅構内のアナウンスを担当している女性に出演してもらって、苦労話やウラ話を聞く。

しっかり企画意図が考えられており、条件もクリアされたものばかりで、島本も「たった15分でまとめたとは思えない出来、それぞれ興味深い内容で驚いた」と評価しました。

最後に、島本は、どんな仕事でも一番大切なことは「ひとを大切にすること」だとまとめました。「よ~いドン!」は出演者・スタッフ(制作・技術・美術他)合わせて200人以上が関わっている番組。自分一人では何もできない。例えそれが皆さんのような高校生であってもきっと変わらない。仲間を生かし生かされ何かを作り上げていく事の大切さを忘れないで欲しいと締めくくりました。

午後からの講師は制作技術センターのカメラマン鈴木です。雰囲気を変えて、「よ~いドン」のスタジオで行われました。

一言で「技術」といっても、様々な役割があります。映像関係だけでも、カメラマンをはじめ、スタジオに何台もあるカメラの映像の視聴者が見やすいように調整しているビデオエンジニア、カメラが撮った映像の中から放送する映像を選ぶスイッチャー、そして全体を統括するテクニカルディレクター。このほかにも、音声に関係する仕事、照明に関する仕事など細かく担当が分かれていることが説明され、生徒たちは、キツネにつままれたような表情でした。

その後は、スタジオでカメラマン体験をしました。普段何気なく見ているテレビですが、実際にカメラで撮影してみるとピントがすぐに合わなかったり、思うサイズで映像が止められなかったり、映される側の生徒の動きに反応できなかったりして、「カメラマンってすごすぎる」「家のカメラと全然違う」と絵作りの難しさを口にしていました。逆に、鈴木に「その画角はいいなぁ」とほめられた生徒は、「テレビに映る芸能人になりたかったけど、映す側もいいなぁ」と話していました。

質疑応答では、「カメラマンになるにはどうしたらいいですか」ときかれ、「自分自身、カメラマンになりたかったという訳ではないが、今はこの仕事しか考えられない。会社は異動もあり、テレビ局に入ったからといってどんな仕事につくかわからないが、何にでも興味を持って、とことん突き詰める気持ちがあれば、自分の好きな仕事が見つかるのではないか」と答えていました。

ほぼ5時間の授業で、生徒のみなさんには、社員のテレビに向き合う様々な思いを感じ取っていただけたよう思いました。

【講師のコメント】

スポーツ局スポーツ部 田中潤

母校の生徒が会社にやってくる。ならば少しでも後輩たちにテレビを好きになってもらえる機会にできればと思い、今回の授業に挑みました。スポーツ部のディレクターの仕事を軸に授業をすすめましたが、後輩たちの真剣な表情に圧倒され、うまくいかなかったのが少し後悔です。やはり、伝えたいことを伝えることの難しさ、取材も番組作りもすべてリンクしているなと感じました。今回の授業を受けた後輩の生徒が、よりテレビを好きになってくれて、未来につながればいいなと思います。

編成局編成部 島本元信

昨年度、開局60周年プロジェクトのリーダーを務め、“視聴者の皆さんと触れ合う”というコンセプトを打ち出し、61年目も継続的に取り組みたいと思い自ら手をあげたのですが、私の授業を通じて何を感じてもらえたでしょうか。逆に生徒の皆さんからは色々と刺激を受けました。「宿題が多すぎてテレビ見る時間がない」「ドラマは録画、翌朝早起きし親がまだ寝てるうちに見る」など、机上の理論では見えてこないティーン層の生活を肌で感じる事ができ非常に有意義な経験でした。

制作技術局制作技術センター 鈴木智雄

カメラの実技講習を通じて生徒の皆さんの素直な反応を感じることができてとても楽しかったです。皆さん撮影の仕事にとても興味を持ってくださいました。日頃何気なくご覧いただいている番組に、我々技術スタッフの小さなこだわりが沢山詰まっているということをご理解頂ける良い機会になったかなと思います。モノづくりは本当に楽しいです。将来やりたいことを探すヒントにしてください。この度はありがとうございました。

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