関西テレビ放送株式会社

 

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  2. 2.CM考査とは
  • 2.CM考査とは

テレビ局が広告を取り扱う上でのさまざまな規制については前項で触れましたが、ここではCM考査の実態を、広告主に関する「業態審査」とCMの内容・表現に関する「CM表現考査」に分けて、より具体的にみていきます。


(1)業態審査

業態審査は、会社案内・商品説明書など所定の書類をもとに、社内の考査セクションが、関係法令に違反していないか、放送基準に適合しているか、消費者からのクレームがないか、などの観点から審査します。また、(社)関西広告審査協会等の第三者機関に、業態審査を依頼することもあります。そして、その審査に基づいて考査・営業セクションを中心に社内の関係セクションが協議のうえ、受け入れるか否かを判断します。

1)放送基準に基づき取り扱わない業種

①許可・認可のない広告主

放送基準・第14条105
許可・認可を要する業種で、許可・認可のない広告主の広告は取り扱わない。登録、届け出を要する業種についても同様。

②私的な秘密事項の調査を業とするもの

放送基準・第14条109(2014年11月1日改正)
人権侵害や差別の助長につながるかたちで、個人情報を調査・収集・利用するものは取り扱わない。
(民放連放送基準解説)探偵業、興信所、その他の信用調査機関の広告は、視聴者の人権尊重の見地から取り扱わない。

③占いなど科学を否定するもの

放送基準・第14条108
占い、心霊術、骨相・手相・人相の鑑定その他、迷信を肯定したり科学を否定したりするものは取り扱わない。

2)放送基準に基づき取り扱わない商法

①権利関係や取引の実態が不明確なもの

放送基準・第14条98
権利関係や取引の実態が不明確なものは取り扱わない。
(民放連放送基準解説)悪質なマルチ商法(連鎖販売取引)やそれに類するもの、キャッチ商法(キャッチセールス)、SF(催眠)商法などの悪質商法、ならびに男女交際あっせん業。

3)放送基準に基づき取り扱わない商品

①視聴者に不利益を与える可能性がある商品

放送基準・第13章89
広告は、真実を伝え、視聴者に利益をもたらすものでなければならない。

関係法令に反する商品

放送基準・第13章90
広告は、関係法令など(各省庁の告知、通達、通知などを含む)に反するものであってはならない。
(民放連放送基準解説)CM表現では問題がなくても、ホームページ、チラシ、パンフレットなどの他媒体で法令に反する表示があるものは取り扱うべきではない。さらに、放送の社会的責任から、法令に反しないものであっても、独自の自主規制を行うのは当然である。


(2)CM表現考査

CMは繰り返し放送されることで視聴者に大きな影響を与えます。そのため法令や自主基準でさまざまな規制を設けています。関西テレビの自主基準である放送基準の13章から18章はCMに関する基準です。もちろんCMも放送の一部ですので、それ以外の1章から12章についても遵守すべき必要があるのは当然のことです。
CM表現考査担当部署では、関係法令や放送基準に照らし合わせ、事前に絵コンテなどのCMプランをチェックし、受理・改稿・謝絶などの対応を行っています。
私たちが普段よく目にする代表的事例を、CM表現考査の観点から挙げていきます。その基本となる考え方は、番組を制作する上でも尊重すべきことですので参考にしてください。

1)注意すべき表現〜虚偽・誇大表現

①虚偽・誇張のある広告

商品やサービスの品質や内容、価格その他の取引条件について、事実に反する場合や、実際よりも、または他の業者のものよりも、著しく優れていると一般消費者に誤解される恐れのある表現は取り扱いません。二重価格表示、割引率表示についても、不当表示になる場合があるので慎重に取り扱います。
広告表現において最も注意しなければならないのがこの虚偽・誇大表現の禁止です。景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)はじめ薬事法など、さまざまな法令において罰則規定とともに定められているので、多くの業界でも公正競争規約を設け規制しています。なお、薬事法や健康増進法、医療法などでは「何人も…」と定めてあり、違反すると放送責任が問われることも想定されています

不当景品類及び不当表示防止法
薬事法
健康増進法
放送基準・第14章、第16章、第17章


考査事例① 50%オフ
衣料品店のバーゲンのCMで50%オフという表現があった。しかし、当該商品が50%オフであるという納得するに足る根拠が提示されなかった。(謝絶)


考査事例② 100%天然果汁
飲料のCM、100%天然果汁という表現があったが、実際は100%ではなかった。(謝絶)

番組で商品やサービスを紹介するときも十分に注意すべきです。その情報が商品やサービスに対する視聴者の判断に誤認を与え、結果として不利益を招くことになりかねません。広告の意図がない限り、番組内での表現が直接これらの法令違反に問われるわけではありませんが、情報をきちんと伝え、節度ある表現を常に心がけましょう。

②根拠のない最大級・最大級類似表現

よく目にする「世界一」「世界初」「最高」「…だけ」などの最大級表現は、古くからの広告の常套手段ですが、だからといって、安易に使用してはいけません。最大級表現の濫用は、視聴者を迷わせるだけでなく、放送広告に対する信頼を失うことになるからです。多くの業界が公正競争規約で最大級表現の自主規制を行っています。その範囲内で、どうしても使用する場合は、公に認められる客観的根拠を提示し、局が認めた場合に限ります。また、その根拠をCM中に明示する必要があります。

不当景品類及び不当表示防止法
放送基準・第15章、第16章


考査事例① 売り場面積ナンバー1
家具店のCMに「売り場面積ナンバー1」という表示があったが、実際は近畿地区でのナンバー1だったので、その旨を表示するよう改稿要請。


考査事例② 当店だけ!
衣料品店のバーゲンのCMで、「当店だけができる大特価!」という表現があった。「だけ」の根拠に対する明快な説明が得られなかったので改稿要請。

③他を誹謗中傷する広告

広告は、客観的事実を正確に述べて、しかも品位あるものでなければなりません。広告の本質は、自己の特質を正しく伝えて視聴者に商品選択の知識を与えるところにあります。互いに他をけなすことは、広告全体の信頼性を失墜させ、広告の効果そのものを落とすことになります。
ただし、公正取引委員会のガイドラインによると、次の3要件を満たせば、景品表示法上の不当表示にはならないとして比較広告そのものを否定するものではありません。
 ①比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
 ②実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
 ③比較の方法が公正であること
しかし「場合によっては(中略)倫理上の問題、品位にかかわる問題を惹起することもあるので、注意する必要がある」としています。たとえ3要件を満たしていても、極端な比較広告は検討を要するでしょう。

不正競争防止法
放送基準・第14章


考査事例① 当社の商品に限って…
「他の洗剤をご使用になりますと、手や肌を荒らすことになりますが、当社の製品に限って、そんなことはありません」(改稿要請)


考査事例② 比較CMに他社製品?
コンピューター・メーカーの新機種CM。旧製品を並べローラーで潰していくという内容。この中に他社の製品と判別できるものが含まれていた。(謝絶)

番組で取り上げる商品・サービスの特徴を表現するときに、他社製品などと比較し、誹謗・中傷まがいの表現をすると、営業妨害となり、訴えられることがあります。節度ある表現を心がけてください。

2)注意すべき表現〜視聴者の錯誤を招く表現

①視聴者に錯誤を起こさせるような表現

意識的に錯誤を起こさせるもの、無意識のもの、直接的な表現、暗示的な表現、いずれの場合でも、視聴者の不利益になる恐れのあるものは避ける必要があります。特に注意しなければならないのは、視聴者の知識や経験の欠如を利用して錯覚を与えようとするものです。二重価格表示などはこれに該当します。

不当景品類及び不当表示防止法
不正競争防止法
消費者契約法
放送基準・第15章


考査事例① まるで全商品半額のように
衣料品店のバーゲンのCMで、50%オフという表現があった。実際は一部商品のみ50%オフだった。(改稿要請)


考査事例② まるで北海道産のように
テレショップにおける蟹の販売のCM。ロケ地が北海道の海鮮市場の中。視聴者からすれば北海道産の蟹だと当然思うが、実際はロシア産であった。原産地がロシアであることを表示するよう改稿要請。

CMで情報提供する商品・サービスの価格は「消費税込みの価格表示(総額表示)」をすることが義務づけられています。番組でも、視聴者に誤認を与えないよう「総額表示」で統一してください。

②サブリミナル

視聴者が通常の視聴では感知できない映像や音声を挿入することにより、何らかのメッセージの伝達を意図する手法(いわゆるサブリミナル的表現手法)はアンフェアな表現手法です。このような表現手法を用いたCMは効果が認められるか否かにかかわらず、取り扱ってはいけません。

放送基準・第8章


考査事例 CDのCMに一瞬無関係な映像
新作CD発売のCMで、一瞬、何の関係もない映像が挿入されていた。何らかのCM効果を生じせしめているわけではないが、改稿要請。

サブリミナルではないが、CMにおいて演出上、画像を一瞬、黒にする手法が見られます。場合によっては放送事故と誤認を招くので、合理的理由がなければ避けるのが望ましい表現です。

③パカパカ

いわゆるパカパカは、閃光や急速に点滅したり変化する光の画像、また、極端に短い画像を瞬時に何回も繰り返して演出効果を強調するものです。特に発育途上の児童・青少年は、刺激の強い画面を見ることで、ひきつけ、けいれん、吐き気、頭痛などの「光感受性発作」を起こす可能性が高いとの研究結果が示されています。
民放連では「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」(放送基準・第8章61)を設け、映像や光の点滅が原則として1秒間に3回を超える使用を避けるとともに、「鮮やかな赤色」の点滅は特に慎重に扱うことなどを決めており、CMでもこのような表現方法を用いることはできません。

④契約以外の広告主の広告

契約外の広告主の広告を認めると、広告主の責任の所在が不明瞭になってしまいます。最近多くなってきたタイアップCMやコラボレーションCMなどで、必要不可欠な範囲で、契約外企業の商品に触れる場合でも、その契約外企業の広告効果を生じせめないよう注意する必要があります。広告主が小売または卸売業者など、自社製品を持たない業種の場合でも、その特性を配慮しつつ、この基準に準じます。

放送基準・第14章


考査事例① 主役は映画か商品か
封切間近の映画とタイアップした大規模小売店のキャンペーンCM。試写会に参加した人の映画の感想を聞くなど、どちらが主なのか不明瞭な表現となっていた。(改稿要請)


考査事例② 特定の店での購入を推奨
製薬会社の、ある商品を特定の店で購入するよう勧めるCM。この商品は他店でも購入できるので契約外に該当すると判断。(改稿要請)

CMで情報提供する商品・サービスの価格は「消費税込みの価格表示(総額表示)」をすることが義務づけられています。番組でも、視聴者に誤認を与えないよう「総額表示」で統一してください。

3)注意すべき表現〜視聴者の射幸心をあおる表現

①射幸心をあおる広告

射幸心を過度に刺激する広告は、健全な社会生活や良い習慣を害する可能性があるので注意する必要があります。公営ギャンブルについては投票券購入行為に繋がる表現、宝くじについては過度の期待感を抱かせる表現は避けましょう。パチンコやパチスロ台のメーカーのCMについても同様に射幸心を刺激する表現、ホール誘引に繋がるような表現は避ける必要があります。
また、これらのCMは特に児童への影響を配慮しなければなりません。

児童福祉法
放送基準・第10章、第12章、第13章、第14章


考査事例 大当たりを連想させるパチンコCM
パチンコ・パチスロ台メーカーのCMにおいて、同じ絵が3つ揃うシーンがあった。大当たりを連想させ、射幸心をあおり、ホール誘引に繋がるので改稿要請。

②懸賞広告

懸賞広告は過度に射幸心をあおることは良くないという観点と、不当な競争を防止する観点から、その景品額が制限されています。

オープン懸賞……………… 制限なし
クローズド懸賞…………… 取引額 5000円未満の場合 取引額の20倍
取引額 5000円以上の場合 10万円
総付景品(ベタ付き)…… 取引額 1000円未満の場合 200円
取引額 1000円以上の場合 取引額の1/5

不当景品類及び不当表示防止法
放送基準・第12章


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