関西テレビ放送株式会社

 

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  • 5.「下請法」関連について

大企業である親事業者が優越的地位を利用して、下請け事業者に経済的不利益を与えることを防ぐための法律である『下請代金支払遅延等防止法(下請法)』の改正で、放送番組やコンピュータプログラムに代表される「情報成果物」の作成委託や、役務提供委託が規制を受けることとなり、放送局がその対象業種となっています。
下請法には、発注書の発行や期日までの代金の支払など数々の義務や、受領拒否や買い叩きなどの禁止が盛り込まれており、親事業者である関西テレビには、それらの厳格な遵守が求められています。


(1)対象となる事業者

情報成果物作成委託、役務提供委託の場合、下請法が適用されるのは、資本金5千万円以下の事業者と個人に発注する場合です。制作プロダクションの場合、少数の大手を除きほとんどが対象となります。
コンピュータプログラムの作成委託、製造委託の場合は資本金3億円までの事業者が対象です。


(2)対象となる業務

1)情報成果物作成委託

収益を上げるための本業として販売・提供するところの情報成果物を作成する業務の全部または一部を他の事業者に委託すること。
典型的な例は、外部プロダクションへの番組発注です。コーナーVの完パケ発注やタイトルCGの発注、脚本、オリジナル音楽の制作委託なども対象となります。
単純に撮影や編集のみを外部委託したり、簡単なフリップやテロップをつくってもらったりというように、情報成果物を納めてもらうというより、その人たちの技能を利用している(役務を提供してもらっている)と考えられる場合には対象とはなりません。

他者に販売・提供するものではなく自ら使用するものを作成する作業で、自分でも日常的に行っている作業を他の事業者に委託すること。
ウェブサイト作成作業などで、社内スタッフでもできるような簡単な作業を委託するときはこれにあてはまりますが、社内では不可能な高度な技術が必要な場合は適用されません。同じように広報ポスター作成などは、社内ではできませんので適用の対象とはなりません。

2)役務提供委託

撮影や編集、FD業務など単純に役務の提供を受ける場合は下請法の対象とはなりません。ただし、他の事業者から請け負った役務のすべて、あるいは一部をさらに別の事業者に委託する場合は適用されます。
他局からの技術応援依頼があった際に、技術プロダクション等にカメラマンなどスタッフの派遣を要請するような場合や、他社から請け負ったイベントを運営するときに、その作業の一部を他の会社に委託するような場合が適用になる可能性があります。

3)製造委託

情報成果物ではなく、業務として販売・提供する物品の製造を他社に委託することで、このことは今回の改正以前から下請法の対象でした。
販売用の番組グッズ、有料のパンフレットなどの製造委託や、同じく市販用のビデオ、DVDのダビング、プレスなどを外部委託することがこれにあたります。
無料配布する記念品の製造委託や番宣ポスターの印刷は対象とはなりません。


(3)実際の作業の流れ

1)「発注書」の発行

業務の委託が決まった時点でただちに『発注書』を発行してください。
■発注書の記入
プロデューサーなど担当責任者が発注書を記入、発行してください。
発注書ひな型(目的別に何種類かあります)に必要事項を記入してください。
発注時点で未定の項目があれば、空欄のまま発行してください。発注即時発行が最優先です。ただし、未定の理由と決定予定日を備考欄に明記しておいてください。
■搬入日と受領日
下請法ではいったん受領した後の内容の修正は不当なやり直しを強制したとされる恐れが大きく、そのためにかかった費用は放送局の負担となります。
そのため放送日の何日か前を指定してできあがったテープを搬入してもらい、社内で技術プレビューや内容チェックを行った後、放送の1日前あるいは当日に正式に受領するということにします。内容の修正があれば、委託先事業者と充分協議のうえ、搬入から受領の間に行ってください。

2)「発注書」の委託先への交付

記入済みの発注書は所属長が捺印し、2部コピーを取って原本を委託先に手渡します。
(手渡しがむずかしい場合はファックスで送ってください)

3)未定事項の決定、内容の変更

決定・変更があるたびにその内容と決定・変更した日付をただちに補充欄に記入し、委託先に手渡してください。大幅な内容の変更があった場合は、新たに発注書を発行し直してください。

4)受領

受領後にやり直しを行った場合は、その内容を(金額の変更があればそれも)補充欄に記入してください。

5)代金の支払い

受領の翌月の末までに必ず代金を支払ってください。60日を超えると法律違反となり遅延利息を支払わなければなりません。
委託先の請求書の発行が遅い場合でも、期限内に支払わなければなりません。その場合は発注書のコピーをつけて支払伝票を回してください。請求書を受け取り次第発注書コピーと差し替えてください。支払伝票の発生日欄には実際の受領日を入力してください。

6)保存書面の作成、保管

実際の受領日、支払い金額等を発注書に追加記入して保存書面を作成し、1部コピーして担当責任者が保管するとともに、原局管理に渡します。


(4)禁止事項

下請法では、下記の項目が親事業者の禁止事項として挙げられていますので特に注意してください。

1)受領拒否、返品の禁止

納品されたものが、発注書の内容と異なる場合や、納期が遅れた場合など、下請け事業者の責任とする理由がないにもかかわらず、受領を拒否することはできません。
レギュラー番組で、局側の都合により予定より少ない本数で終了することになった場合は、完成した回についての代金を支払うことはもちろん、未完成の回についてもすでに取りかかっている部分があれば、それにかかった費用は支払わなければなりません。

2)受領後のやり直しの禁止

『搬入日と受領日』の項目でも説明したように、発注した番組などをいったん受領した後に、追加作業ややり直しをする場合は、受注側に落ち度がない限り、発注者が費用を負担しなければなりません。

3)代金の支払い遅延の禁止

受領後60日以内の支払いは、必ず守らなければなりません。

4)下請代金の減額の禁止

いったん話し合って決めた発注金額を下請け事業者の責任とする理由がないにもかかわらず、減額してはいけません。

5)買い叩きの禁止

不当に低い金額で発注してはいけません。

6)購入、利用強制の禁止

発注者が指定する材料や施設、役務を有償で強制的に委託先に使用させてはいけません。関連施設を使用してもらう場合、十分協議して、両者納得の上で行ってください。
また関西テレビが関係したイベントや映画の前売り券の買い取りを強制することなどもこれにあたります。