関西テレビ放送株式会社

 

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  2. 2.映像など著作物利用の際の注意点
  • 2.映像など著作物利用の際の注意点

(1)自社素材の場合

1)ニュース映像を制作番組で使用する場合

報道部に連絡を取り、利用方法を説明し、許諾を必ず取って利用します。また、報道のためだけに取材に応じた場合があるため、利用方法によっては、改めて取材先の許諾が必要なケースがあります。


事例① 寺院の資料映像を無断利用
バラエティ番組で名刹の報道資料映像を無許可で利用。放送後、当該寺院から、その演出方法が同寺の名誉を著しく損なう内容であったと、厳重な抗議がきた。
原因は、
①担当者が報道部に照会しなかったこと
②まったく無関係なテーマで、ネガティブな意味がコメントされるベースの映像に流用したこと
③全体としてのチェックシステムとルールが不備であったこと
などが複合して起きた。資料保存の際、用途限定・照会先データ等の注意書きを心がけたい。
支社制作部長が同寺を訪問し、お詫びをする。

アーカイブ室より映像テープを借用した場合には、利用後すみやかな返却が必要です。
特に、事件・事故関連の映像は慎重に取り扱わなければなりません。他の番組に流用されたり、社外へ持ち出されたりはあってはならないことです。映像テープの管理面からも利用後すみやかに返却し、再度利用する際には、アーカイブ室へ利用申請をしなおしてください。


事例② 当初の目的以外の映像利用は不可
関西テレビからニュース映像を報道目的で他局に貸したところ、担当ディレクターが個人で長期間保存した上、借りたときとは別目的で利用した。すでにその映像が利用不可となっていたことも知らなかった。
関西テレビはこれを大きな問題とした。

2)ニュース映像を報道番組で利用する場合

ニュース映像であっても、利用可能な期間に制限があったり、最初の報道の後に利用制限ができる場合があります。条件を確認する必要があります。

3)番組映像

関西テレビに著作権がある番組といえども、無断では利用できません。二次利用については、当該番組のプロデューサーへの確認が必要です。
また、映像に映っている出演者の許諾を取る必要もあります。
なお、出演者の所属事務所ではなく、権利者の団体に申請し、許諾をもらわなければならない場合があります。

4)スポーツ素材

スポーツ映像については二次利用のルールが細かく決められ、また、年ごとに更新されており複雑な要素が多くなっています。
国内のスポーツ競技映像は、ストレートニュースにおいては競技終了後24時間以内であれば、申請や費用負担なく利用できる場合があります。
しかし、24時間以降に使用する場合は別途手続きが必要です。さらに、メジャーリーグや海外サッカー、ワールドカップ、オリンピックなど海外スポーツの権利関係は非常に複雑です。権利関係を確認せず、放送すると莫大なペナルティを科せられる可能性があります。また、国内競技大会に海外著名選手(例:タイガー・ウッズ等)が出場した場合でも、映像権利が大会ではなく、選手個人の事務所にある場合があり、要注意です。
スポーツ映像の利用の際は、この点を十分に留意し、疑問点があればデスク、スポーツ部の担当者への確認が必要です。
また、自社映像であっても、その大会の権利が貼りついていますので、これも確認が必要とされます。


(2)他社映像などの場合

他社映像などの著作物の利用については勝手に判断せず、わからないことは著作権担当者に相談するようにしましょう。

1)事前の許諾

原則として、著作物を番組内で利用するには著作権者の事前の許諾が必要です。
著作権者の許諾は、1回限りであることが多く、再利用にあたっては確認が必要です。
①他社の番組映像を利用する場合、テレビ局や制作プロダクションに申請する必要があります。相手方が求める手続きを必ず行ってください。また局が著作権をもっている場合、映像に映っている出演者の許諾も必要です。
②映画作品を部分利用する場合は、映画の著作権を有する映画会社、映画監督(本人および日本映画監督協会…監督は著作者人格権を持つため)、脚本家※(日本脚本家連盟など)のすべてに許諾の申請をする必要があります。
※脚本家の許諾は、テレビドラマの場合でも必要です。
③CMを番組内で利用する場合は、ACC・CM情報センターに申請し、その指示により権利クリアを行います。
社内にあるCM素材を使うことはできません。


事例 使用許可の行き違い
単発ドラマで、「詐欺行為で売られた絵」という設定で実際に画家が描いた絵を使用したところ、画家サイドから抗議があった。あるギャラリーに、今回の絵の設定(詐欺行為で売られた絵)を脚本を見せて説明し、リース可能な絵があれば推薦してほしい、また作品を傷つけかねない内容なので、使用については作者の了承を確実に取ってほしい旨を申し入れた上で、紹介された作品だった。
ギャラリーから画家サイドに電話を入れ、納得いただいたとの報告を受けたものの、2日後に再度謝罪を求めるメールがはいる。確認したところ、画家サイドの当事者が2人おり、ギャラリーと担当プロデューサーがそれぞれ別の相手に連絡を入れていたため、そのような事態になったことがわかった。
最終的にはギャラリーから改めて経緯と事情を説明、両者ともに了承してもらった。
著作物の取り扱いについては、より慎重な確認および手続きの徹底が必要と思われる。

2)映像提供のテロップ表示

他社取材の映像を借用して放送する場合、映像提供等のテロップ表示が必要になることがあります。決まりのロゴ等、条件を先方に必ず確認してください。他社の記事やVTRを放送して、その内容に誤りがあった場合、関西テレビも責任を問われることがあるので慎重に対応しなければなりません。

3)変更等の禁止

著作物を勝手に変更、加工、改ざんすることは許されません。


事例 新聞記事の無断加工
情報番組で、生活ネタの素材として、新聞のイラストを、新聞社の許諾を得て利用したときに、放送に使用。テレビ的に見やすいようにと色つけして放送。新聞社から勝手に著作物に手を加えたと抗議が。
次の日、番組内で謝罪。

4)借用情報の記録

他社からの借用映像を番組内で利用した場合は、借用情報を記録する必要があります。他人の著作物を無許諾で再度利用し、権利侵害を起こさないために、社内の映像ライブラリーシステム(八索)に情報が登録できるよう、借用した日とデータの提出を行うなどのご協力をお願いします。