関西テレビ放送株式会社

 

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  • 5.表現上留意すべきその他の事例

事例① 適切に演出された事例 〜チャイルドシートをめぐって〜
ゲスト女優が「うちの子ども、チャイルドシート使ったことない」と発言。MCの女性タレントが即座に「ダメだよ、それは。危ないよ!」と諌めた。ゲスト女優の発言は「道路交通法に違反する」と視聴者からも指摘があったが、トーク全体で出演者がその発言を注意し、諌めている。そのやりとり全体を収めている。むしろ、チャイルドシートの効用について啓発的な会話となっている、と判断すればこそ編集時、組み込んだものであった。
視聴者にはその旨回答し納得された。MCのナチュラルなトークのなかで、必要不可欠な規範が盛り込まれていて、局アナウンサーも参考になる事例である。
(第2章−6−(5)「道交法とロケ」参照)


事例② 問題とならなかった事例
①バラエティ番組で、収集家の夫婦を取材。妻の方は人気キャラクターを収集。自宅でのインタビューでは、背景にぬいぐるみ等が映っていた。今回は背景で、アップでないこと、扱いも悪いものではないためそのまま放送。(知的財産権)
②番組内で定年するアナウンサーを“狂気のアナウンサー”と表現していた作家の著書を紹介。文脈から差別的な意味合いがなくそのまま放送。(「○○狂」など)
③参議院議員のタレントが、VTR取材で出演。放送当日が衆議院選挙の公示日であったが所属する議院が違うため問題なし。(公選法)
④単発のスペシャルドラマの台本で「女中」というせりふが使われていた。現代ならば「お手伝いさん」「従業員」と言い換えるところ、時代設定が昭和初期のため「女中」のままで訂正せず。(時代考証と差別表現)
⑤人気番組でゲスト出演者が生い立ちを語るところで「私の母はアイヌの出身で……」と告白。ゲスト自身の言葉であり、アイヌを差別的に扱っておらず、そのまま放送。(民族差別)


事例③ 「無農薬野菜」から「特別栽培農産物」へ
情報番組の中で司会役のタレントが、農薬を使用せず栽培された野菜を「無農薬野菜」と紹介。すでに農林水産省のガイドラインによって、「特別栽培農産物」と呼ぶよう指導があったことを認識していなかった。

平成15年に農水省が特別栽培農産物に関わる表示ガイドラインが改定され、無農薬や減農薬などの表現から「特別栽培農産物」に名称変更となりました。しかし、実際問題として、残留農薬の厳格な土壌調査をすることは困難で、生産者が「無農薬」と宣言することは難しく、JAS法には罰則がないため、業界内だけに流布されているガイドラインであるという現状です。
ただ以前は使われていたこともあり、消費者に対して紛らわしいので店のほうが無農薬といっても慎重に扱う必要があります。関西テレビでは、報道の場合は単語としては「無農薬」は使用せず「農薬を使わず栽培したもの」などにコメント、テロップとも統一しての表現を行っています。


事例④ スタジオセットに赤十字マーク
バラエティ番組にて、スタジオセットの診察カードと書かれているボードに赤十字のマークが使用された。赤十字マークはジュネーブ条約や日本国内の法律で使用が制限されており、赤十字活動以外に使用することはできない。視聴者からの指摘があった。残念ながら「医療」をイメージして使用されているケースが多く見られる。20か所を超える映り込んだカットあり、修正ができず、番組販売は取り止めた。