関西テレビ放送株式会社

 

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  • 6.個人情報

2005年に施行された「個人情報の保護に関する法律」では、「報道」「著述」など5分野の活動については適用除外としています。しかし、安全管理や苦情処理のための措置をとり、その内容を公表する努力義務が課せられています。
いうまでもなく報道機関は、市民の「知る権利」に応えるために取材活動に携わっており、その過程を踏むなかで私たちは取材源からさまざまな情報を得ることができるのであって、決して特権的に情報を得ているのではないことを忘れてはなりません。個人情報を適切に管理することは自由で正確な報道のための第一歩であり、保護法以前の問題なのです。
一方で、個人情報保護法の誤った解釈により、取材活動に支障をきたす場面が見受けられるようになりました。保護法の趣旨を取材相手に正しく説明し、情報提供への理解を求める努力が記者には求められています。
(資料「個人情報保護について」参照)


(1)情報の入手

報道目的であることを明らかにして取得することが原則です。報道が公益に合致するかどうか、代替の手段がないかどうかを検討しながら適正に取得するよう努めなければなりません。


(2)情報の保護

入手した個人情報は、紛失・盗難・破壊・漏洩などから保護しなくてはなりません。
①個人情報が記録された紙やメディアは、常に所在が確認できるように整理・保管する。
②記者貸与のPCは、ユーザIDやパスワードの取り扱いを厳重にし、ウィルス感染を防ぐため、セキュリティソフトは常に最新バージョンに保つ。
③視聴者からの情報メールは、管理担当者のみ閲覧できる仕組みとし、その情報は適切に取材担当者に伝達する。
④取材テープは会社内の定められた場所に保管する。デジタルビデオカメラや動画ファイルの映像は、ダビングしたテープを社内で保管し、マザーの映像は消去する。
⑤FAXやメールの送信にあたっては、誤送信しないよう細心の注意を払う。


事例 当選証書に住所が記載
2008年1月の選挙で当選した候補者が当選証書を受け取るシーンを撮影した際、証書にマンションの部屋番号まで記されている候補者の自宅住所が映っていた。録画して一時停止すれば判読できる状態だったので、モザイク処理をして放送した。取材で撮影した映像には、放送すべきでない個人情報が含まれていることも多いので、十分な注意が必要だ。

(3)流用の禁止

入手した情報は、原則として報道目的以外に使用してはなりません。
①当該ニュース以外の報道目的に使用する場合は、情報提供者の了承を得なければならない。
②原則として情報を第三者に提供してはならない。情報提供の必要が生じた場合は、報道目的以外に使用されることのないよう、明確に取り決める。


事例 和歌山カレー毒物混入事件裁判
和歌山カレー毒物混入事件の公判で、和歌山地裁は民放6社が放映したインタビューのビデオテープを証拠として採用した。民放連は、取材のインタビューが逮捕以前に行われたことを踏まえ、「報道機関が捜査当局に協力者として利用されたことになる。こうしたことが続けば、市民の取材拒否に繋がることもあり得る」と指摘。「市民の協力によって成り立つ取材の自由が失われれば、国民の『知る権利』が重大な侵害を受ける」と抗議した。
判決は、「報道結果を証拠として扱うことは慎重であるべき」としながらもVTRを供述と認定し証拠能力を認めた上で証拠採用は妥当とした。
(和歌山地裁判決2002年12月)

(4)情報の処分

情報には保管期限を定め、期限を経過したものはすみやかに廃棄します。
①個人情報が記載された文書は、シュレッダーで裁断したのち廃棄する。
②DVD・CDメディアを破棄する際は、メディアシュレッダーを利用する。
③PCやハードディスク廃棄の際は、消去ソフトを利用するなど、情報を復元されないような措置を講じた上で廃棄する。