関西テレビ放送株式会社

 

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  • 8.スタジオ収録

(1)トーク内容が名誉毀損に

一般の方はもちろん、芸能人においてもプライバシーがあります。公共性、公益性があるかどうか、いたずらに興味本位に走っていないかどうか、表現行為が対象者の社会的評価を下げるものかどうか、過剰な表現になっていないかどうか、必ずチェックしましょう。


事例 バラエティ番組でゲストが語った自身の離婚騒動 その②
バラエティ番組においてゲストが自身の離婚騒動に答えるという企画でBRC(放送と人権等権利に関する委員会)より「勧告」を受けるに至ったが、これにはいろんな問題が内包されている。
【スタジオ収録段階における問題】
スタジオ収録は、赤裸々なトークによって「活気」づいた。当時の夫(一般人)に反論の場を与えることに思い及ばず、一方的にゲストサイド(妻)の意見を出すことにしかならなかった。「痴話喧嘩」という言葉があるが、当該夫婦の愛情表現の一つ、という思い込みに支配されていた。ほどなく離婚し元夫となる私人の怒りを招いている、とは想像できなかった。
【編集段階における問題】
録って出し(収録翌々日放送)であったために、編集方針を決めて仕上げに入ったが、編集後のチェックは完璧ではなかった。放送に「出せる?出せない?」の基準は「芸能人夫婦の自分たちの話」という括りのなかの判断であり、後日、反論なり、クレームがくることを前提にしていなかった。デリケートな内容の企画であっただけに、できるだけ多くの人間の目で最後までチェックすることが望ましかった。
第7章−1「『クレーム』は価値ある『資源』」につづく)

(2)資料映像

著作物を番組で使用する際は、著作権者の事前の許諾が必要で、かつ勝手に改ざんすることは、許されません。


事例① 寺院の資料映像を無断使用
バラエティ番組でお寺の資料映像を使用。その後の演出方法が同寺の名誉を著しく損なったとの抗議が。
第5章−2「映像など著作物利用の際の注意点」参照)


事例② 「ウチは取材を断っている」
情報番組でメイド喫茶の特集をするにあたり、以前、同番組で放送した映像を無許可で使用。放送後、今は取材を断っているとして抗議が。
プロデューサーが店に行って謝罪。お詫び文を後日、提出した。映像も消去。

(3)お笑いネタ

漫才や落語のネタで内容的に放送に不適切なものもあり、事前に演者との打ち合わせと確認が必要。古典落語でも今の時代に合わない内容もあります。


事例 実際の事件を茶化すのはご法度
演芸番組の漫才ネタで理髪店で発砲するという題材を扱い、笑いをとるシーンがあった。
実際にあった事件を題材にしているが、たとえ漫才であっても不謹慎と判断。その部分をカットした。

(4)観客

スタジオ観客には、収録スケジュールや放送で観客が映る可能性があること、著作物としての収録内容を他言しない、といったことを説明しておきましょう。
万が一の事故に備えて、救急の対策を考えておかなければなりません。


事例 音声ブームが観客に倒れた
スタジオ公開番組で収録後、音声ブーム撤収時、ブームがバランスを崩し、観客1名の頭部に接触、観客が転倒することがあった。
プロデューサーが病院に付き添い診察してもらう。幸い異常なしということで、その観客は無事帰宅された。