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- 6.ロケ取材
- 6.ロケ取材
台本もできていよいよロケ取材が始まります。本番のスタートです。
ただロケはスタジオと違い、天候などさまざまな不確定要素があります。
取材先が一般の方の場合、意識の食い違いなどもよく出てきます。
いかに臨機応変に対処できるかが肝要です。ロケに入るときにより良い準備をするため、ここではトラブルの実例を挙げていきます。
(1)取材対象者とのトラブル
肖像権の意識をスタッフがしっかり持つこと。社名、番組名、企画内容、放送の可能性のある日時を明らかにし、本人承諾を取った上で取材すること。後日、使用してほしくないという連絡が入る場合もあるので、連絡先等を伝えておきましょう。
『月刊8チャンネル』で事情説明。当該番組のエンドでテロップ、コメントでの謝罪。
本人と協議し結局、出演者をまったく映さず、実景とテロップ、ナレーション処理で放送。
(2)ロケ中の事故
ロケでの事故を未然に防止するために、やれることはすべてしておくのは、当然ですが、事故が起こった際は、すみやかに対処し、すぐに上司に連絡してください。
(3)ロケでの苦情
ロケ取材先はもちろん、関係各所に事前の連絡をしておけば、ロケが円滑に行われ、またトラブル防止にも繋がります。公道で中継やロケをする場合、道路使用許可証を事前に取る必要があります。大音量が出る場合や、夜間に及ぶロケの場合、周辺の住民たちに前もって、挨拶、説明が必要です。
警察署に謝罪。今後は、事前に連絡するよう指導を受けた。
事前に消防署などに届けも出しており、近隣にも挨拶していたが、消防署間の連絡がうまくいっていなかったのと、予想以上の範囲からの住民の反応があったため起こったトラブル。
自治会に対し謝罪してようやく放送に納得してもらう。
番組担当者に連絡し、照明をおとして静かにロケを行い、トラブルなく終了した。観客の呼びかけは、どれくらい人が集まるかが見えない場合は非常に危険性がある。
(4)ロケ内容の問題
ロケにおいて、その内容や対象についてさまざまな角度から確認・検討する必要があります。またその放送の影響についても考えておかなければいけません。
人をいれて回す行為は、機械本来の使用目的でなく、いたずらにイジメに利用される可能性があると、協議の上、再編集してそのシーンをカットして放送。
相手にこちらが望む内容を言わせるなどの、過剰な演出も避けなければなりません。
(第2章−6−(8)「街頭取材・街頭インタビューでの問題」参照)
道路交通法の改正により、車の走行中は後部座席でもシートベルトの着用が義務づけられるようになりました。タレントの密着や、インタビューなどでシートベルトを着用せず取材をしてしまうことがありますが、これは避けなければなりません。
同様に専用レーン以外での自転車の歩道走行、馬の歩道歩きも道交法違反です。ただ制作サイドがこういった行為を指示していたときのことで、たまたま出くわした、収録後にこのような違反行為がバックに映っていたという際にまでは、適用すべきではないと考えられます。
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