関西テレビ放送株式会社

 

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  • 6.ロケ取材

台本もできていよいよロケ取材が始まります。本番のスタートです。
ただロケはスタジオと違い、天候などさまざまな不確定要素があります。
取材先が一般の方の場合、意識の食い違いなどもよく出てきます。
いかに臨機応変に対処できるかが肝要です。ロケに入るときにより良い準備をするため、ここではトラブルの実例を挙げていきます。


(1)取材対象者とのトラブル

肖像権の意識をスタッフがしっかり持つこと。社名、番組名、企画内容、放送の可能性のある日時を明らかにし、本人承諾を取った上で取材すること。後日、使用してほしくないという連絡が入る場合もあるので、連絡先等を伝えておきましょう。


事例① 「使わないで」と言われていたのに
バラエティ番組の一般人のインタビューで、本人が使わないでと言っていたにもかかわらず、編集で怒りマークまでつけて放送。後日、本人から抗議の電話が。
『月刊8チャンネル』で事情説明。当該番組のエンドでテロップ、コメントでの謝罪。


事例② 突然出演できない状況に
旅番組の一般人のロケ終了後、放送日が半年遅れに変更となった。その後、その出演者が顔出しがまずい状況になったとのこと。しかし、このシーンをカットするとストーリーがわからなくなる。
本人と協議し結局、出演者をまったく映さず、実景とテロップ、ナレーション処理で放送。

(2)ロケ中の事故

ロケでの事故を未然に防止するために、やれることはすべてしておくのは、当然ですが、事故が起こった際は、すみやかに対処し、すぐに上司に連絡してください。


事例① ファイヤーダンスで火傷
バラエティ番組のロケでファイヤーダンスの収録中、強風でエキストラの女の子が大火傷。痕が残るかもしれない状態だったので、毎週1度、病院に通院。1年間、通院にプロデューサーが付き添った。


事例② 炎天下の浜辺で熱中症
夏の炎天下の浜辺で番組収録をした際、念のため医者、看護師をスタンバイ。技術スタッフが熱中症にかかったが、すぐに手当てをしてもらい、症状を最小限に食い止める。

(3)ロケでの苦情

ロケ取材先はもちろん、関係各所に事前の連絡をしておけば、ロケが円滑に行われ、またトラブル防止にも繋がります。公道で中継やロケをする場合、道路使用許可証を事前に取る必要があります。大音量が出る場合や、夜間に及ぶロケの場合、周辺の住民たちに前もって、挨拶、説明が必要です。


事例① 人形を自殺者と間違えられて
ドラマのロケでビルの屋上で人形を使ってサスペンスシーンを収録中、通行人が自殺と思い、警察に通報。パトカーが出動する騒ぎに。
警察署に謝罪。今後は、事前に連絡するよう指導を受けた。


事例② 花火をガス爆発と間違えられて
ドラマのロケで季節はずれに花火の打ち上げシーンを公園で撮影。打ち上げの音が広範囲に届いたため、住民が「ガスタンクの爆発ではないか」と消防署に通報。消防車が10台以上出動。新聞も取り上げることに。
事前に消防署などに届けも出しており、近隣にも挨拶していたが、消防署間の連絡がうまくいっていなかったのと、予想以上の範囲からの住民の反応があったため起こったトラブル。


事例③ 家庭に動物を運び込んで
バラエティ番組のクイズ問題ロケで、出張動物園を紹介。ある団地の家庭に動物を運んだ。ロケ終了後、自治会から危険かつ不衛生と大クレームが。
自治会に対し謝罪してようやく放送に納得してもらう。


事例④ 番組ホームページで呼びかけて
深夜のバラエティ番組で、京都の三条大橋でロケをする際に、番組ホームページで観客の呼びかけをしていた。人が集まっているので、近くの飲食店の方が不審に思い、土木事務所に確認をした。「本来鴨川で大きなロケするときは許可が必要、土木事務所に聞いたら申請はないと。それを伝えたかった、事故のないようにしてください」と視聴者情報部に電話があった。
番組担当者に連絡し、照明をおとして静かにロケを行い、トラブルなく終了した。観客の呼びかけは、どれくらい人が集まるかが見えない場合は非常に危険性がある。

(4)ロケ内容の問題

ロケにおいて、その内容や対象についてさまざまな角度から確認・検討する必要があります。またその放送の影響についても考えておかなければいけません。


事例 コインランドリー
お笑い番組のロケで若手芸人が過激なことに挑戦。コインランドリーの乾燥機に入ってドラムを回し、そこに着火した花火を投げ込むというもの。
人をいれて回す行為は、機械本来の使用目的でなく、いたずらにイジメに利用される可能性があると、協議の上、再編集してそのシーンをカットして放送。

相手にこちらが望む内容を言わせるなどの、過剰な演出も避けなければなりません。
第2章−6−(8)「街頭取材・街頭インタビューでの問題」参照)


(5)道交法とロケ

道路交通法の改正により、車の走行中は後部座席でもシートベルトの着用が義務づけられるようになりました。タレントの密着や、インタビューなどでシートベルトを着用せず取材をしてしまうことがありますが、これは避けなければなりません。
同様に専用レーン以外での自転車の歩道走行、馬の歩道歩きも道交法違反です。ただ制作サイドがこういった行為を指示していたときのことで、たまたま出くわした、収録後にこのような違反行為がバックに映っていたという際にまでは、適用すべきではないと考えられます。


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