関西テレビ放送株式会社

 

  1. 第1章 番組企画
  • 第1章 番組企画

「創造力」と「想像力」

放送に従事する制作者にとっての本分は、自らの企画を番組にし放送することによって、それを見た視聴者の皆さんが知見を広める、あるいは、豊かで楽しい生活を送る、その一助となることにあります。
放送はさまざまな番組で構成されていますが、その番組は、制作者個人、あるいは複数の制作者から湧き起こった企画から成り立っており、その企画は個人の「創造力」が根源にあります。
制作者は憲法に保障された「表現の自由」のもと自由闊達な表現方法を駆使した「創造力」をフルに生かして企画を練り上げ番組化に挑みます。企画書にまとめあげ多くの人の賛同を得、実現に向けあらゆる場面であらゆる人と会話し調整し検討し、念願かなって番組化へのゴーサインが出た後も、スタッフへの説明、企画会議、キャスティング、出演者サイドとの交渉、演出準備、収録日程調整などさらに多くの過程を乗り越えていかなければいけません。
この番組制作過程で、常に忘れてはいけないのは視聴者の存在です。楽しんでもらえるか、なるほどと共感してもらえるかなど企画の意図が伝わるかどうかはもちろん、この番組を見て不快に思う人はいないか、誰かを傷つけることにならないかなどを常に思い描く深い「想像力」をもって番組制作に取り組みます。そこが公共の電波を表現の場とするテレビ制作者特有のことであると自覚せねばなりません。
ときとして、誰かを傷つけはしないかという「想像力」が過剰に働き、自由闊達な表現活動に少なからず影響を与え「創造力」が抑制されると感じることがあるかもしれません。しかし、それこそがテレビ制作者として当たり前の感情であり、「創造力」と「想像力」をフル回転して悩むことこそがテレビ制作者が通らなければならない道なのです。
「発掘!あるある大事典」の調査委員会報告書は「自由闊達な表現活動、放送活動をするためには自らを律しなければならない」と指摘しています。制作者として自ら考え、自ら結論を出すためにも、第1章は番組の根源である企画について見つめなおしていきたいと思います。


資料 「発掘!あるある大事典」調査委員会報告書より
地上波テレビ放送局は、複雑に絡み合った分業と相互の協力なしには成立できない。(中略)
そこには役割の定義と規律とガイドラインを明確に示すことができるものもあれば、それらをむしろ意図的に曖昧にし、自由闊達な活動を促すことによって、これら複雑に絡み合う分業・協力構造総体の成果として生まれる「番組」を豊かに実らせる性質の仕事もある。この後者の仕事分野の広い点が、放送にかぎらず、広く言論表現や文化に関わる事業の特徴と言ってよい。
しかし、このことは、その分野に携わる人々が無責任、放埓でよいということを意味しない。外部から規制・制約されることが少ない代わりに、みずからの良心と価値意識に基づいて自己を律し、課題には真摯に取り組み、協力を仰いだ人たちの言説と、そこで得た知識や事実を尊重し、他者からの助言や忠告や批判には謙虚に耳を傾けること——言論表現や文化に関わって活動する人間には、こうした内発的倫理に基づく姿勢こそが求められている。