解説

【解説】SDGsライター伊藤緑の、こんなとこにも「ちょっとだけ」SDGs

第15回(6/30放送)

テーマ:離島の人口減少問題をちょい変え!

ディスカッション板書
ディスカッション板書

3.すべての人に健康と福祉を3.8 すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
4.質の高い教育をみんなに4.3 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手頃な価格で質の高い技術教育、職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
6.安全な水とトイレを世界中に6.1 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。
8.働きがいも経済成長も8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
9.産業と技術革新の基盤を作ろう9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。

離島の人口を増やす方法を考えよう
日本は、全国的に社会インフラが整っている国です。地方であっても、ライフラインの心配がなく、ほとんどの地域でインターネットを使うことができます。しかし、島は少し事情が違うかもしれません。
国土交通省のサイトによると、2023年2月28日現在、日本には、14,125の島があります。この数字には、本州、北海道、四国、九州、沖縄本島も含まれます。離島は14,120島。有人島が416(内水面離島である沖島(滋賀県)を含む)島。無人島が13,705島です。「離島の人口を増やす方法を考えよう」の離島が、有人島か無人島かによって行うことは違います。有人島の場合は、島に住んでいる人の意向が尊重される必要があるでしょう。そのうえで、住民を増やす、関係人口を増やすことは考えらえます。人口増加により、島の経済活動を活発にするためです。無人島は、持ち主が個人・法人・自治体などさまざまです。持ち主が何のために所有しているのか?どうしていきたいか?を考える必要があります。

今回、多くのSDGsの目標とターゲットを選びましたが、有人島か無人島か?何のために使うか?によって該当する項目が変わります。

島のなかには、沖縄本島も含まれます。今、沖縄で起きているのが医療の問題です。島という閉鎖された空間で、十分な医療が受けられない状態が起きています。これは島だけでの問題ではないのですが、最初に問題となるのが島の場合が多いです。
そして、十分な教育を受けることができないという教育の問題も住民が少ない場合に起こります。GIGAスクール構想で、離島からでもオンラインで授業を受けることが進んでいますが、すべてが解決しているわけではありません。島内に高校がない場合は、中学卒業と同時に親元を離れる人も一定数います。
また、無人島ではライフラインが完全ではない場合もあるでしょう。その状態を観光と捉えるか、不便と捉えるか、それぞれでしょう。インターネットを整えず、デジタルデトックスをする場とする考え方もあります。もちろん、緊急時には連絡が取れる体制は必要です。

離島の取り組みとして、国土交通省のサイトに報告書には以下の項目が掲載されています。
医療/介護・教育・交通/物流・デジタル化の推進/再生可能エネルギー・農林水産業/観光・住宅/雇用。さまざまなの分野での取り組みが紹介されています。


実際にホワイトボードで書かれた例を見ていきます。

(1)笑島・音島
(2)島ごとキラキラ
(3)手作り島

この3つは、島を丸っとイベントに使うというイメージです。無人島で、持ち主の方が希望すれば可能だと思います。もちろん、島の景観や自然を壊さないことは、SDGsの目標にありますので、大がかりな開拓ではないことは条件になるでしょう。

(4)移住したら100万円
定住者を求める自治体では行っている島があります。お金目的での短い期間の移住とならないこと、島の住人との良い関係を作っていければ、良い取り組みになると考えます。

実際に行われている、離島移住支援金(一例)
北海道:利尻町(利尻島)
長崎県:五島市(五島列島)
島根県:島町(隠岐:沖島列島)
鹿児島県:十島村(トカラ列島)
この他にも、丸亀市や小豆島などもあるようです。支援金を受け取るには、それぞれ条件があります。

(5)サブスク島
こちらも、お金ことです。島への移住定住にかかる費用を下げるための試みとして、サブスクは、今後新たな視点になるかもしれません。

(6)Uターンも取りたい・島の外に発信
井手上さんご自身が、離島のご出身なので一番リアルに感じられていると思います。井手上さんの以前のインタビューを拝見すると、海士町のキャッチフレーズは、「ないものはない」とありました。ないものはないけれど、大事なものはある、という意味です。
都会には、たくさんのものがありますが、「なくても問題ないもの。あればあったで便利なもの」が多いです。ないからこそ工夫する力が付くこともあります。離島に住むとことは、自分が本当にやりたいことを見つけるきっかけを得たり、まだ目覚めていない力や才能が開花したりする可能性もあるのかもしれません。
島外へのPRは、「島のそのまま」を伝えることもあるのかもしません。
そして、Uターンという言葉があるということは、島の魅力は、島で育った人が一番知っているということかもしれません