解説

【解説】SDGsライター伊藤緑の、こんなとこにも「ちょっとだけ」SDGs

第6回(9/27放送)

テーマ:「エモい」で世界をちょい変えしよう!

実際の取り組み事例(むろと廃校水族館)

インフラの有効利用
廃校となった建物の多くは、手が付けられることなく荒れていきます。その建物を使い、観光の財源として試み、これまで訪れる方が少なかった場所に文化的意義のある施設が作られたことは大変意味があると考えます。また、人が集まる施設を作ることにより、雇用の創出も生み出しています。
学校内の設備をそのまま利用することは、インフラ面での「12.つくる責任 つかう責任」に繋がります。
室戸市立椎名小学校の表示を残し、水族館の名前を「むろと廃校水族館」とすることで、この場所が何であったのか?を伝えることもできています。
そして、小学校が水族館になるという発想や廃棄される跳び箱を水槽にするなどの発想は、子供たちに、常識の枠を出て発想の転換によるビジネスアイディアの生み出し方をリアルに伝えています。
入場料が安価であるけれども無料でないことは、地元の経済を回すことに繋がります。

12.つくる責任 つかう責任12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。

官民のパートナーシップ・地元の漁師の方とのパートナーシップ
小学校(旧室戸市立椎名小学校)の建物は室戸市所有です。そして、むろと廃校水族館の運営は、特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会が行っています。これは官民のパートナーシップ。そして、2022年1月に特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会では、むろと廃校水族館の職員募集を行っていました。
また、むろと廃校水族館に展示されている魚たちは、地元の漁師さんからの寄贈とのこと。これは、地域とのパートナーシップです。そして、第一次産業を若い世代に知ってもらう機会となります。

17.パートナーシップで目標を達成しよう17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

海に住む生き物を知る
海に住む生き物を知ることで、水族館を訪れた人が守るべき海や海の住む生き物を知ることで、海洋保全に少しでも繋がることができれば、「海の豊かさを守る」の1歩です。また、ウミガメの保全を行っている運営法人の思いにも触れることができる可能性があります。

14.海の豊かさを守ろう14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。

どこに居ても海の知識を得られる
海の近くであっても、海の生物を間近に見ること、知ることは難しい場合があります。また大型の水族館は都市部に多く地方に住む方にはアクセスが難しい場合があります。身近な場所に水族館ができることで、世代を問わず新たな学びの場となり子供たちであれば、将来の夢の幅、大人であれば今後の生き方の幅が広がると考えます。

4.質の高い教育をみんなに4.3 2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。