解説

【解説】SDGsライター伊藤緑の、こんなとこにも「ちょっとだけ」SDGs

第4回(7/26放送)

テーマ:ヒートアイランド問題を改善したい!

ディスカッション板書
ディスカッション板書

(1)打ち水は、昔から日本で行われているものです。気温を下げるためにCO2を排出しない方法で快適な暮らしを考える以外にも、日本文化知る・守るという意味でSDGsだと考えられます。
30~40年前と今では、日本の夏の気温は大きく変わりました。打ち水は、「水が蒸発する際の気化熱の働きで周囲の温度を下げること」であり、涼を求めるのに効果的なことですが、打ち水をする時間帯や場所を調べる必要があります。アスファルトの熱が高くなりすぎて、蒸発までの時間が短くなってしまうという現象も起きているからです。子供たちと一緒に行う際には、打ち水の効果やどこにどんな時間帯にどのくらい行うことかを調べることから始め、打ち水という日本の歴史や文化(打ち水は「茶の湯」とも関係があり、安土桃山時代からあるとも言われています。また、俳句に読まれていたり、浮世絵に描かれていたりします)を合わせて伝えることで、子供たちにとって打ち水は単なる作業ではなく、目的や歴史などの知識を得ることができます。楽しみながら、学びながら遊びの要素も含めていくことが大切かもしれません。そして、令和元年8月5日(月)に、国土交通省の中央合同庁舎3号館正面玄関前にて、「水の週間打ち水大作戦in 国土交通省」が行われています。これは17のパートナーシップにも繋がります。

13. 気候変動に具体的な対策を13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
11. 住み続けられるまちづくりを11.4世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。
17. パートナーシップで目標を達成しよう17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

(2)消雪パイプ は、北海道や東北地方など積雪が多い地域で、除雪・融雪・路面凍結防止のために、道路に埋め込んだパイプから比較的暖かい地下水をポンプで汲み上げ路面へ散布する装置です。
消雪パイプを夏に使うという方法は、実はすでに行われています。2015年にある企業が、2021年に新潟県三条市が行っています。これは打ち水効果になると言われています。消雪パイプは、自治体が管理していることが多いと思われます。自治体の取り組みとして、東北や北海道でも暑い日が続くときには、有効的に使われればと考えます。

13. 気候変動に具体的な対策を13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
17. パートナーシップで目標を達成しよう17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

(3)道路や外のもの、建物を白くする。家の壁の色で部屋の温度が変わることがあります。黒い壁と白い壁では気温差があります。外壁の色での比較については、大学でも研究が行われているようです。もちろん断熱材の使用で黒い壁でも室内は涼しいという例もありますが。
また、国立環境研究所の方の調査によると、着用する服の色でも、光の吸収・反射により温度の違いがあるという結果が出ています。その調査では、白や黄色、灰色などが無難とコメントされています。また、服の形(風通し)なども影響します。
最近は、完全遮光日傘が発売され、男性も日傘を差すようになりました。個人レベルでも夏の暑さとうまく付き合う方法を考えていくときが来ています。

13. 気候変動に具体的な対策を13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。

実際の取り組み事例(大丸心斎橋はちみつプロジェクト/やぁね、こけちゃっかー)

気候温暖化・異常気象と言われるようになってどれくらいでしょう。個人的には、すでに異常気象ではないと感じています。なぜなら、異常とは「普通と違っていること。正常でないこと」を意味するからです。異常といわれる気象がここまで続くのであれば、それを当たり前として、準備する必要があります。
今年は、梅雨がないと言われている北海道に梅雨のような雨が降りました。24時間降水量が100mmを越えたところもあるようです。また、北海道と沖縄の気温が変わらない日もありました。数年前まで聞いたこともなかった「線状降水帯」の予測がされるようになり、暑いだけでなく、数時間に渡り激しく降る雨にも向き合うことになっています。
世界を見れば、ポルトガルで最高気温が47℃、スペインでは45℃という気温。イギリスでも40℃を越えているようです。
「今年の夏はヤバい!」と毎年言っている私たちにできることを考えるときが来ています。

今回は「ヒートアイランド現象」への取り組みです。SDGsでは温暖化対策として、森林を守ることが謳われていますが、森林規模を個人で守ることは難しいです。しかし、「ヒートアイランド現象」は、温暖化とは違い、“都市の気温が周囲よりも高くなる現象”“人工的な構造物や排熱を要因として気温が上昇する現象”です。これは、都市部で生活をする人たちにとって、とても身近な問題です。

●都市養蜂
大阪のビルの屋上で行われている都市養蜂は、地産地消に繋がります。自然生息地は海や山だけの話ではなく、その土地に住む動植物たちも含みます。都市部の蜂たちが都市部の花から集める蜜を販売することは、まさに地産地消。また、ミツバチが行う草花を受粉は、都市部の緑を増やし、そこに集まる生き物たちの生態系を豊かにしてくれます。
日本は土地が狭く、特に都市部では緑を感じる場所が減っています。屋上に水田を作ったり、畑を作ったりしている場所もあります。ビルが増えて行く都市部では、唯一残された場所となりえる屋上の有効活用が必要となってくるでしょう。

13. 気候変動に具体的な対策を13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
15. 陸の豊かさも守ろう15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる
15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

●苔の活用
節電と熱中症予防という矛盾する状態の2022年の日本の夏をどう過ごすか?こんなときこそ、頭を柔らかくすることも大切だと考えます。地球温暖化が進み、40年、50年前の生活をすることはできません。しかし、エアコンがなかった時代にどう暑さを凌いでいたのか?を調べてみることがSDGsに繋がるかもしれません。テーマパークと同様にキャンプが流行っているのも、人は自然とのふれあいを求めているのかもしれません。

4. 質の高い教育をみんなに4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
3.すべての人に健康と福祉を3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。

家の屋根に自然に生えてしまった苔をそのまま放置することは、建物の安全性の視点では、危険なことがあるといわれています。今回紹介された管理されているスナゴケは、断熱性能があるようです。実際、今回ご紹介くださった泉原さんも車体が熱くならないとおっしゃっています。また、泉原さんのキャラクターも素晴らしいですね。興味を持ってくださった方に渡しているのも良いですね。どういう方が興味を持ってくださっているか分かりませんが、子供たちであれば、早い時期からSDGsを学ぶきっかけになります。
車検を通して安全対策をされている点もSDGsです。

都会のビル屋上のちょい変え活用法
都会のビル屋上のちょい変え活用法

(1) レジャープール&ウォータースライダー/牧畜スペース
遊びながら学ぶという意味で、なぜこの場所でウォータースライダーをするのか?ということを子供たちにも教えることで、気象変動について学ぶことができます。そして、自分たちがどのエネルギーを選び、どのように使っていくかを考えるきっかけになります。
「牧畜ができるスペース」は、屋上の広さや動物が足を痛めない地面を作ることができれば、可能性はあると考えます。ただ、牧畜を行う際に発生する臭いの問題の解決が必要です。

13.気候変動に具体的な対策を13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
4.質の高い教育をみんなに4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。

(2) 昼も夜も楽しめる、天然日焼けサロン、プール、バーベキュースペース
土地が狭い日本なので、屋上の有効利用は切実な問題だと考えます。エンターテイメント要素を屋上に盛り込むことで、自然の恵みを利用できれば、室内で行うよりもエネルギー効率に役立つと考えます。熱中症などには注意が必要ですが。また、四季折々の空気感やイベントを体感することができれば、日本文化を守ることにもなります。
「夜も楽しめる」という部分は、屋上への出入りの際にチェックがあれば、夜の街で起こりえる危険(事件・事故)を減らすことができる可能性もあります。
これらを楽しむためには、高層であることの危険性を完全に排除したうえでの施設を希望します。

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
9.産業と技術革新の基盤をつくろう9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。

(3) 昔、外で遊んでたイメージの昭和遊び場を再現(ベーゴマ、めんこ、ケンケンパなど)、お祭りの縁日スペースも。
文化をつなげていくことはSDGsの目標のひとつです。昭和の遊びが楽しめる場所はとても良いと思います。このような場所を自治体が運営し、所得の低い家庭に入場券を配るなどを行うこともひとつの方法だと思います。また、周りに車が走っていなくて安全という面は、交通事故による死傷者を半減するという目標に該当します。

1.貧困をなくそう1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
3.すべての人に健康と福祉を3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
11.住み続けられるまちづくりを11.4 世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。

(4) アウトドアスポーツ施設(BMX 会場やビーチバレー、スケボー)
衛生面や危険な生き物の存在などから公園の砂場が閉鎖されています。ビーチバレーのための砂場が、子供たちが遊べる安全な砂場としても利用できると良いと考えます。

15.陸の豊かさも守ろう15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。

(5) 天然日焼けサロン、グランピング施設、屋上広告
熱中症などに注意しつつ、自然の恵みを利用できれば、室内で行うよりもエネルギー効率に役立つと考えます。

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
9.産業と技術革新の基盤をつくろう9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。

(6) 家庭菜園や農場。ドローンを使った運送も。
大阪市の「大阪市みどりのまちづくり条例」では、“敷地面積1,000平方メートル以上の新築又は増改築を行う場合、敷地面積の3パーセント以上にあたる緑化を接道部の敷地、外壁などにしていただくこととし、あわせて、緑化等計画書、内容変更、及び緑化等完了の届出をしていただくことを定めております。”という制度があります。屋上に野菜菜園や農園を作ることは、ヒートアイランド現象への対策とともに、この条例に繋がります。大阪市以外でも都市部の自治体では条例を定めている場所もあります。
ドローンの利用でどこまで運ぶことができるか、また天候次第ですが、災害時の避難所や孤立してしまった地域への食糧の配送に役立ちます。ドローンによる大気汚染がどれほどかという問題と、車による運送による排ガスの問題を今後、比べて考えていくことも大切だと考えます。

13.気候変動に具体的な対策を13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
17.パートナーシップで目標を達成しよう17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。