解説

【解説】SDGsライター伊藤緑の、こんなとこにも「ちょっとだけ」SDGs

第1回(4/26放送)

テーマ(1):何もない田舎町を、なんとかして盛り上げたい!

ディスカッション板書
ディスカッション板書

(1)やりらふぃーを集める」は、都市部と過疎地や島しょ部との繋がり支援として以下のターゲットに該当します。

11.住み続けられるまちづくりを11.a 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。

ただし、自然あふれる町の自然は残してほしいです。荒らすのではなく、自然を守る意識の高いやりらふぃーに集まってもらい、町の情報を発信してもらいたいです。そして、町を知ってもらうことは、その町の状態を知ってもらうこと。都心と日本では都心と過疎地や島しょ部のあらゆる格差を埋めること。自然を守りながら、情報格差、教育格差を埋めるきっかけになれば、と考えます。
そして、教育格差を埋めることは、以下のターゲットに繋がります。

4.質の高い教育をみんなに4.1 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。

(2)海産物」「(3)特産品・恐竜」「(4)田舎は特産物が多いから」など、その地域では当たり前のものに、付加価値を付けて経済を回すきっかけとすると、それにより土地の認知度アップ、雇用創出、経済成長に繋がっていきます。

8.働きがいも経済成長も8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
8.4 2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。
8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

(5)果物になったら届けてくれる」地域で作られたものを生産前から購入する契約があることで、廃棄(食品ロス)がなくなり、町の収入が安定します。また、その果物に付加価値を付け価格を上げることで、小規模食料生産者の農業生産性及び所得を安定させることができ、以下にも繋がっていきます。

12.つくる責任 つかう責任12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。

2.飢餓をゼロに2.3 2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。

(6)人のいない地区をAIにあげる」「(7)ロボットの信長」から、都心には人が多くできないことを、人が少ない町で研究・技術開発・モニタリングを行うことができます。

9.産業と技術革新の基盤をつくろう9.5 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。

(8)聖地化する」。アニメやドラマ、映画などは原作や作品があってこそで、すぐに実現するのは難しいですが、失恋は全世界共通のものですので、失恋したら行く町という「失恋から卒業できる町」としてブランド化されれば、「失恋から卒業できる町」が、産品販促のひとつとなる可能性があります。

8.働きがいも経済成長も8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

実際の取り組み事例(兵庫県加西市:失恋コンシェルジュ)

何もない町を持続可能にするための企画は、15.陸の豊かさも守ろうに繋がります。一人で泣ける場所は、自然が残っている場所。自然豊かな町を、開発せずに人が集まる場所にするためには、企画が必要です。

15.陸の豊かさも守ろう 15.4 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。

同時に、周遍寺:地方の神社仏閣のなかには、人が訪れないことでさびれてしまっている場所もあります。日本の大切な文化を守るために、人が訪れない場所で企画をすることによりさびれることなく残っていきます。

11.住み続けられるまちづくりを11.4 世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。

今後、望むことは、現在は女性向けのようですが、多様性が謳われる今、性別問わず受け入れる体制となることを願います。

5.ジェンダー平等を実現しよう 5.c ジェンダー平等の促進、並びに全ての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。

テーマ(2):京都の菓子メーカーの売れ残り問題をなんとかしたい!

ディスカッション板書
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フードロス問題に対しての意識が高いことを感じます。
どうしたら売れ残ってしまう商品を買ってもらえるか、に(1)ゲームやくじは面白いと思います。ただ、日本にも情報格差があり、その情報が届かない人(情報格差)がおり、そういう方が貧困層である場合も多いです。

12.つくる責任 つかう責任

以下と繋がる試みが行われると、複数の目標と繋がります。「(2)チャリティーで配る」という意見がありますので、フードバンクとのコラボで確実に届けたい人に届く流れを作ることができれば、食品ロスと飢餓をゼロの2つの目標と繋がります。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに

(3)ビュッフェのデザートとして時間限定でホテルとコラボ」については、ホテルで京都のお菓子が提供されれば、お菓子製造メーカーとしても割引なく卸すことができます。また、これまでそのお菓子を知らなかった方にも知ってもらう機会になります。これは、コロナ禍で苦戦しているお菓子製造メーカーを救うことになります。

8.働きがいも経済成長も8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

同じく、目標8ですが、「(4)京都+新しいメニュー」という意見は、起業・創造性の部分に繋がります。そこから雇用の創出ができれば、尚良いアイディアです。

8.働きがいも経済成長も8.3 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。

こちらも つくる責任 つかう責任の関連ですが、「(5)セールアプリ缶詰」。現在も賞味期限が迫った商品を安価で販売というサービスはありますが、アプリにすることで若い層に情報が届くと考えられます。
安いから買うという購買だけでなく、幅広い層への商品の認知。若い人があまり訪れない老舗の銘菓を知るきっかけになることで「これって名前は知ってたけどおいしいじゃん」となると良いです。

12.つくる責任 つかう責任

(6)アプリにすることで若い人に伝わり、職業を知るきっかけとなり文化継承になる可能性もあります。また、事業継承の問題解決にも繋がるかもしれません。

8.働きがいも経済成長も8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する

(7)和菓子食べ放題」「(8)着物を着れる」「(9)プロが写真」は、日本文化の継承です。自国の民族衣装でありながら、自分ひとりで着物を着ることができない人が多いので、まずは着物を身近に感じてもらい、結果として日本文化を守ることに繋がります。

11.住み続けまちづくりを 11.4 世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。

実際の取り組み事例(京都府京都市:菓子製造メーカー救援プロジェクト)

以前から言われている食品ロス問題に、コロナ禍で拍車がかかりました。このプロジェクトにより、廃棄されることなくお客様の手元に届きます。

12.つくる責任 つかう責任 12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

創業年数の長い企業からの提供があったこと、お菓子を提供してくださった企業の方が梱包・発送を手伝ってくださったことは、身近なところでのパートナーシップ構築と考えます。

17.パートナーシップで目標を達成しよう 17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

今回のプロジェクトは、コロナ禍で厳しくなってしまった観光業に対して、「産品販促につながる持続可能な観光業を促進する」ための政策を立案にあたると考えられます。

8.働きがいも経済成長も 8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

この目標は、開発途上国のこととして語られていると感じる方もいらっしゃいますが、日本でも貧困はあり、3食を食べられずにいる子供たち(子供に限りませんが)がいます。これらのお菓子セットを日本の貧困層に届けることができれば、貧困層を救うことができます。また、飢餓を減らすことにも繋がります。フードバンクとのコラボなども期待します。もちろん企業の売り上げを守ることも考える必要があります。

1.貧困をなくそう 1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。

2.飢餓をゼロに 2.1 2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。

京都府(滋賀県も含む)には、「古都京都の文化財(京都市・宇治市・大津市)(1994年)」という世界遺産があります。京都含め西日本の銘菓を守ることは、関西エリアの文化を守ることに繋がると考えます。
※SDGsの目標は、「まちづくり」ではありますが、文化を守る観点からちょっとだけSDGsと考えました。

11.住み続けられるまちづくりを 11.4 世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。