独占密着の舞台裏 「拳四朗×矢吹正道」 リング上で交わした二人の約束

死闘の直後、リング上で交わされた言葉とは…
死闘の直後、リング上で交わされた言葉とは…
22日(水)に行われた、プロボクシング・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ。
9度目の防衛を狙った寺地拳四朗と、初めての世界戦に挑んだ矢吹正道による死闘。
その舞台裏には、関西テレビのカメラだけが捉えた、ドラマがあった。
試合直後、抱きかかえられる拳四朗
試合直後、抱きかかえられる拳四朗

拳四朗がレジェンド・長谷川穂積に漏らした本音

プロ19戦目で初めての黒星を喫した、拳四朗。試合後の記者会見をキャンセルせざるを得ないほど、心身ともにダメージを負っていた。

しかし、中継の解説を務めた長谷川穂積氏(三階級世界制覇王者)の顔を見ると、29歳は思わず本音を漏らした。
「キツいっすね…。負けるのって、キツいっすね…」

これまでも、拳四朗のポテンシャルを高く評価してきた長谷川氏。
涙をにじませる拳四朗に、「もっと強くなって、帰ってきて欲しい。新しい景色を見て欲しい。もう1回チャンピオンになったら、また景色が違うから」とエールを送った。

敗北を味わいながらも、再び立ち上がり、世界の頂きを掴んだ、偉大な先輩からの言葉。
それを拳四朗は、どう受け取ったのだろうか。
試合後 解説の長谷川穂積氏が拳四朗に声をかける
試合後 解説の長谷川穂積氏が拳四朗に声をかける
軽快なフットワークとジャブでボクシングファンを魅了してきた男が、再びリングに舞い戻る日が来ることを心から願っている。
拳四朗が再びリングに舞い戻る日を
拳四朗が再びリングに舞い戻る日を

新王者・矢吹…ひと言、妻に『勝ったわ』

一方、世界のベルトを手にした矢吹は、決戦の舞台となった京都市体育館の外で家族や緑ジムの仲間に囲まれていた。妻・恭子さんの顔を見た後に思わず「勝ったわ」と一言、嚙みしめるように口にした、新王者。
試合後 矢吹と妻の恭子さん(右)
試合後 矢吹と妻の恭子さん(右)
試合直後には「世界チャンピオンになった実感は、あんまり沸いていないです」と話していたが、苦楽を共にしてきた最愛の妻や子供たちを前に、ようやく安堵の表情を見せた。

「一人で戦っているわけではない、自分が勝てば周りが喜んでくれる」と試合前に、決意を語っていた、矢吹。
月夜の京都での一言に、ボクサー人生の全てが詰まっていた。
下克上を成し遂げ、王者となった矢吹
下克上を成し遂げ、王者となった矢吹

試合直後のリング上で交わされた『約束』

死闘と呼ぶにふさわしい試合となった、今回のタイトルマッチ。その裏には、中継カメラだけが捉えた、もう一つのドラマがあった。それは、試合直後のリング上。敗れた拳四朗から勝者の矢吹に歩み寄り、声をかけた時だった。

「また闘おう、万全の態勢でな」
死闘の直後、リング上で交わされた言葉
死闘の直後、リング上で交わされた言葉
そう言葉を返した矢吹、そして、頷いて見せた拳四朗。一瞬ながら、二人の間で交わされた濃密な会話だった。
まだ、今後の進退を明かしていない男たちが、再び、拳を交える日が来るかはわからない。
激闘…拳四朗×矢吹正道
激闘…拳四朗×矢吹正道
それでも、あの日、あの試合は、ボクシングファンの記憶に深く刻まれたはずだ。
激闘…拳四朗×矢吹正道
激闘…拳四朗×矢吹正道
関西テレビでは、これらのシーンや取材映像を織り交ぜたドキュメンタリー番組「ボクシング 拳四朗vs矢吹 激闘の裏側」を、29日(水)26時5分から放送する。

歴史に残る激闘を演じ、そして、ボクサーとしての誇りを見せた二人に改めて、感謝と尊敬の念を示したい。
お互いの誇りをぶつけ合った両者
お互いの誇りをぶつけ合った両者