インタビュー

相河義高役 田中泯さん

演じられる相河義高はご自身から見てどんな人物ですか?

私はお前のおじいさんだよっていう立場じゃなくて、一輝とは対等な関係です。おじいさんって立場で演技したらとてもやれないです。義高は一輝の性格を理解できるというか、合点がいく素養を持った人なんですよ。義高の中にも一輝のような発想があるということだと思っていますね。人類が「人間」らしくなる過程で、日々あらゆるものに興味を持って過ごしてきたんじゃないかと思うんですが、そういった本能を持った一輝に対して、むしろそっちが「普通」だと思ってる人なんじゃないかと僕は解釈しています。

田中さんから見た主人公・相河一輝の印象をお聞かせください。

「変な人」とか「偏ってる」という風に、人を一般的にしよう、みんなと同じにしようという動きにいつのまにかなっちゃってることに対して変だなって僕は常々思っています。そういった意味では、ああいう物事の捉え方で楽しく生きていけるっていうのは、とっても良いことだと思います。
一輝のような人間は、僕の周りの踊り者にはいっぱいいると思いますし、ちっとも気にならないですね。一輝の好奇心っていうのは、本来人間と一緒だったはずの自然を知りたいという本能的に持ってる好奇心で、僕は正当だと思いますね。

気になる登場人物はいますか?

アリばっかり見ている沼袋さん。あの人の中に何が詰まっているのか興味がありますね。大学の研究室に行くことはないのかなあ(笑)。

軽妙な会話劇が印象的ですが、橋部さんの脚本は演じていかがですか?

見てくださる方も感じてくださっているかと思うんだけど、しゃべってないときの2人のコミュニケーションってのが見えると思うんですよ。それがとっても大事なことだと思いますね。それをやらせてもらえるのはありがたいです。僕はむしろそっち(踊り)で生きてきた人間なんで。脚本とは言葉なので、でもその行間みたいなもの、余白みたいなものをたくさん持っている脚本、という意味で僕にはとてもありがたいものでした。

高橋さん演じる一輝を目の前にしていかがですか?

芝居が楽ですね(笑)。言葉をなぞっちゃってペラペラっと話す人が多いですが、一輝は自分の言葉っていうのを点検しながらしゃべってますよね。それに相手がうんとニュアンスを変えたつもりでも、一輝はまともに相手の言葉をその通りに理解する。言葉は大事なコミュニケーションの手段であったはずなのに、今はお互いにカーブをかけながら話しているか、コミュニケートしてない言葉のやり取りだらけじゃないですか。だから、ああいう一輝のような言葉の使い方をする人はいっぱい増えなきゃいけないと僕は思いますね。

ドラマには様々な動物が紹介されますが、田中さんはご自身を動物に例えると何ですか?

ネコ属かなあ。でも、出来ればバクテリアになりたい。単細胞で十分だなって思いますね。他の哺乳類とか自由に動ける連中は、自分を投影していくじゃない。それは失礼だなって思いますよね。

視聴者に見どころとメッセージをお願いします。

根本的に大事なのは好奇心だと思うんですよね。一輝と義高の間にずっと続いているお互いに対する「どうするんだろう?」という好奇心。信頼という言葉が先にあるんじゃなくて、好奇心が最優先なんじゃないかな。お互いのことが無関心では全然ないんですよね、それでも無関心でもいられる時間っていうのは信頼の時間なわけじゃないですか。一輝と義高はそういう風にコミュニケーションを成立させていることをわかっていただけるとうれしいですよね。

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