明治安田J1百年構想リーグで頂点を目指し、激しい戦いを続けるヴィッセル神戸。主力に負傷者が相次ぐ「難しいシーズン」を戦う中、一際強い輝きを放っているのがプロ5年目の22歳・日髙光揮だ。大阪府堺市出身。独自のルートから自らの力で居場所を掴み取った若武者が、元神戸の近藤岳登氏を前に、その驚くべきメンタリティを明かした。
「コースが見えた」 22歳が放った衝撃のJ初ゴール
3月22日のセレッソ大阪戦で、待望のJリーグ初ゴールをマークした日髙。その劇的な瞬間を振り返り、彼はさらりと言ってのけた。 「ゴール感触はすごく良かった。思い切り打つコースが見えたので、あとは振り抜くだけだった」 シュートを放つ前から道筋が見えていたという、まるで百戦錬磨のベテランのような言葉に、近藤氏も「コースが見えるなんて選ばれた人しか言えない!」と舌を巻いた。日髙本人はいたって冷静だが、その物怖じしない度胸は、こうした大事な場面でこそ真価を発揮する。 象徴的なのが、多くの選手が重圧を感じるPK戦への意識だ。「(PK戦は)楽しい。引き分けで終わるよりはいいし、自分が蹴るのが嫌じゃない」と断言し、さらに「蹴れるなら(一番手でも)蹴りたい」とまで言い切る。この底知れない度胸こそが、彼を今のポジションへと押し上げた最大の武器といえる。
独自のルートで磨かれた「折れない心」
日髙の経歴は、Jクラブのアカデミーという「王道」とは一線を画す。大阪府堺市生まれ。兵庫県淡路島に拠点を置くサッカーの実力校、相生学院高校サッカー部でその才能を磨いた。 この歩みについて、近藤氏は「(アカデミー経由ではなく)高校からヴィッセル神戸に入ったというところが、俺はむちゃくちゃ好き」と絶賛する。実力のみでプロへの道を切り拓いてきた自負は、ピッチ上での不敵な自信へと繋がっている。 「かなわないと思ったJリーガーはいない。すごいと思う選手はもちろんいるけれど、かなわないと思ったらそこまでだと思う」 22歳にして、すでにプロとして戦うための揺るぎない矜持を身につけている。
「見えない貢献」を吸収し再び頂点へ
現在のチームはけが人の続出という苦境にあるが、日髙は「今いるメンバーで良く戦っていると思う」と前を向く。 彼が今、お手本にしているのは同じポジションの井手口陽介(29)ら経験豊富な選手たちだ。「(井手口は)見えないところの貢献力が強い。めちゃくちゃ走れるし、そういうところは非常に参考になる」と、泥臭くチームのために走る姿勢をどん欲に吸収している。 自らの武器である冷静さと、独自の道を切り拓いてきた反骨心。この若き才能がピッチで「コースを見続ける」限り、神戸が再び頂点へと返り咲く道筋も、明るく照らされていくはずだ。 (2026年4月8日放送 関西テレビ「水曜はJ!」より)


