3月9日(火)

「御前酒」杜氏
辻󠄀 麻衣子
岡山県出身43歳。200年以上続く老舗酒蔵「御前酒蔵元辻󠄀本店」の長女として生まれた。高校から実家を離れ東京の大学に進学したが、先代の杜氏から背中を押され、酒造りの世界へ。29歳で酒造りの全責任を担う杜氏に。女人禁制の慣習が残る酒造業界で、清酒品評会でも金賞を獲得する銘酒をつくる。

番組情報

岡山県真庭市の勝山で、200年以上の歴史を持つ老舗酒蔵「辻󠄀本店」。ここで造られる「御前酒」は、全国新酒鑑評会で金賞を獲得した、岡山県が誇る銘酒として知られる。この酒蔵で「御前酒」を含む、酒造りの全責任を担う杜氏が、今回の主人公・麻衣子だ。
「辻󠄀本店」を経営する一族の長女として生まれた彼女。跡継ぎは弟に決まっていたが、子どもの頃から「御前酒のまいちゃん」と町の人に呼ばれ、歴史ある家業に息苦しさを感じていたという。元来、経営者一族は酒造りには関わらないのが習わしだったが、20歳になってお酒を飲み始めたのが転機となり、「杜氏や蔵人の生き生きと働く姿を見て、酒造りを一生の仕事にしたい」と思うようになった。当時、酒蔵は女人禁制とされていたが、先代の杜氏から届いた「なんでも教えてやるから帰って来ればいい」という手紙が、酒造りへの道を開いてくれたという。

先代から技術をたたきこまれた彼女が、跡を継いで杜氏となったのは29歳の時。県内初の女性杜氏の誕生だったが、酒造業界の目は冷たく、「味も変わって御前酒は終わりじゃな」と噂されたこともあった。それでも彼女は諦めず、御前酒の味を守り抜くために日々新たな挑戦を続ける。そして、酒造りの世界で女性が活躍できるように、子育てや家庭と両立できるように、女性ならではの視点でさまざまな工夫を凝らしている。

辻󠄀麻衣子が作る日本酒は、品評会で数々の金賞を受賞し、全国にも知られるようになった。女人禁制の世界に飛び込み、200年続く「御前酒」の味を受け継ぐ杜氏・辻󠄀麻衣子の7つのルールとは。

セブンルール

  • 1家選びは酒蔵から3分圏内
  • 2毎年必ず田植えと稲刈りに行く
  • 3トイレットペーパーは無香料
  • 4上手くいかないときは貯水タンクの上にのぼる
  • 5仕込み期間が終わった次の日は納豆
  • 6ノートにまとめて「見える化」
  • 7酒蔵で働くハードルを下げる