8月6日(火)

塩職人
山田 アリサ
東京都青ヶ島村出身57歳。島の中学卒業後、横浜の高校へ進学。その後、短大を経て、役者を目指して作家・井上ひさしが立ち上げた劇団「こまつ座」に入団。10年間の下積み生活を続けた後、青ヶ島に戻る。現在は島内の製塩所で「ひんぎゃの塩」の精製に励む。一人娘の母。


番組情報

東京から南に358キロ、伊豆諸島の最南端に位置する青ヶ島。人口170人程の小さな島だ。この島の特産品「ひんぎゃの塩」が、にわかに注目を集めている。

「ひんぎゃ」とは、地中から蒸気が噴き出す“噴気孔”を表す島言葉だ。島を囲むミネラル豊富な海水を材料に、地熱のみを利用してじっくり時間をかけて作られた「ひんぎゃの塩」は、大粒で甘みがあるのが特徴。「食材の味を引き立たせる最高の塩」と、東京の一流レストランからも絶賛されている。この「ひんぎゃの塩」を手掛ける塩職人の山田アリサが、今回の主人公だ。

「一日で辞める男性もいる」
過酷な作業場で続ける塩づくり

青ヶ島で生まれ育ったという山田。小さい頃は電気がなく、ランプ生活で、食べ物はほぼ自給自足。勿論、娯楽もなかった。そんな環境の中、彼女が目を輝かせたものは、島の大人たちが作った芝居だった。芝居に心を奪われた彼女は「いつかプロの舞台に立ちたい」と思い始める。そして20歳の時、難関を突破し「文学座」の養成所へ入所。その後、劇作家・井上ひさしが立ち上げた「こまつ座」に入団した。しかし、10年経ってもチャンスをものに出来ず、両親の死にも直面し、失意のうちに青ヶ島に帰ることに…。

そんなある日、「一日で辞める男性もいる」というほど過酷な塩づくりの仕事に出会う。50度を超すサウナのような釜場で行う地道な作業。気が付けば16年の歳月が経った。

役者を辞めた後、島の男性との結婚・離婚を経験した山田は、大学生の娘を持つシングルマザーでもある。華やかな“芝居”の世界から、“塩作り”に舞台を移し、日本一の職人を目指して人生を懸ける。そんな彼女のセブンルールに迫る。

セブンルール

  • 1釜場にいるのは20分まで
  • 2内地から来た人は地熱釜料理でもてなす
  • 3塩の前では煩悩を捨てる
  • 4食品は冷凍保存する
  • 5娘と必要以上に連絡を取る
  • 6塩は透明な袋に入れる
  • 7青ヶ島の塩を日本一にする