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2017年3月10日

みんなのギモン「なぜ我々を困らせる?花粉症」

花粉症の人にとっては残念なことに、今年はスギ・ヒノキ花粉の飛散量が多い年だといわれています。

なぜこんなに我々を困らせる?

今回は「花粉症にまつわるギモン」を調査しました。

 

花粉が飛び始めた今日このごろ・・・今や「国民病」ともいわれている花粉症。 

かくいう私、堀田も花粉症です。

今年の花粉、一体どれくらい飛ぶのでしょうか?気象予報士の片平敦さんと関西テレビの屋上に来ました。

 

【片平敦 気象予報士】

「南の空なんですけど、紀伊山地っていう山があるんです。紀伊山地から花粉がいっぱい飛んでくる。特に花粉が飛びやすい気象状況は温かい時、晴れているとき。そういう時は南風が吹くことが多いんです」

 

あたたかい南風が吹くことで、紀伊山地から近畿一円に大量の花粉がふりそそぐのです。

さらに…

 

【片平敦 気象予報士】

東の方には生駒の山がありますね。もっとぐるりとまわると京都の山もあるし、ずっと西の方まで続いて、基本的に風向きがどの風向きでも山から風が吹いてくることが多いですから。(京阪神地域は)飛んできやすい環境です」

 

「今年はスギ・ヒノキの花粉が多い年」とよくききますが…。

 

(Q何で今年はこんなに多いんですか?)

「実は去年の夏の天気が影響していて、去年の夏、暑くてよく晴れていたのを覚えていますか?それが花粉をとばす花芽ができるのにすごく良い条件だった」

片平さんによると、今年は去年の4倍〜5倍の花粉が飛び、ゴールデンウィークくらいまでは我慢が必要だそうです。

【片平敦 気象予報士】

「今年は大量飛散ですから、花粉症の方にとっては悲惨だ…と思います」

では、花粉の多い日、少ない日は、どう予測しているのでしょうか?

花粉の予報を担当する、日本気象協会の小原由美子気象予報士に伺いました。

 

【日本気象協会 小原由美子 気象予報士】

「こちらプレパラートになるのですが、ワセリンが塗ってありまして、ここに落ちてきた花粉が上にのって、収集できるようになっている」

 

採取した花粉に染色液で色をつけ、24時間でどれだけたまったか、1個ずつ数えていきます。

 

【日本気象協会 小原由美子 気象予報士】

「スギだけではなく、いろいろな花粉も飛んできますので、顕微鏡でひとつひとつ見分けています。今日は9個観測しました。まだ少ないランクですね」

 

最盛期には200個以上を観測することもあるそうです。そして、天気、気温、乾燥度合、風の強さなどを考えて予報します。

 

【日本気象協会 小原由美子 気象予報士】

「私自身が花粉症なので、私の症状の出方も加味しています」

【堀田篤アナウンサー】

「それが一番正確に出るかもしれませんね」

 

街で花粉症について聞いてみると…。

 

【花粉症で悩む人たち】

「去年くらいからです。ついにデビューしました。あはは…」

「年齢がいってきたらましになった。鈍感になってきた、鈍感!」

「人によって違うじゃないですか。同じ体質・年齢でも、同じことをしていてもなる人とならない人がいる。それはどういう違いがあるのかギモンです」

 

さっそくギモンを解決しに、耳鼻科へ…。

 

【大北メディカルクリニック 松永敦先生】

「アレルギーというのはひとつの免疫に対する反応です。例えば私たちの体の中に不利益な、ばい菌・ウイルスが入ってくると、私たちの体は、ばい菌やウイルスを駆除するように働きます。スギ花粉が大して体に悪くないにもかかわらず、体に悪い者だと勘違いしてたくさん反応をおこしてしまう。これがスギ花粉症」

 

なぜスギ花粉は昔からあったのに現代人は苦しんでいるのでしょうか?

 

【大北メディカルクリニック 松永敦先生】

「まずスギ花粉が増えたこと、大気汚染物質が増えたこと、私たちの体の中で食の欧米化が進んだ。たとえば、ウシ・ブタ、そのような家畜のお肉をたくさん食べると、私たちの免疫系は少しバランスを崩すというのが分かっている。また、甘い物、酒、タバコを沢山摂取すると免疫異常、アレルギーになる率が高くなると分かっている」

 

松永先生によると、年齢を重ねると食生活が変化することに加え、体の免疫機能が下がり、花粉を「余計なものして排除する力」が衰えるため、クシャミや鼻水が出にくくなるということです。

 

スギ花粉の一大生産地、和歌山県にやってきました。スギ山のふもとで調査です。

 

【和歌山県民】

「今日はやっぱり山の方に来たら、目がかゆいわ」

 

【スギ山のふもとに住む女性】

「私のとこ、あそこが家なんやな、あの窓からきっちり観察するんや。山がこの前やろ、そやから…。ハハハ…大変ですよも〜」

(Qスギはこんなに昔から大きかったですか?)

「小さいのがこんなに大きくなって。たくさん飛ぶようになったんや。私がお嫁に来た頃は植えて間もないときやった」

 

スギは成長が早く、材質が建築に適していることから、戦後、1950年代ころから、大量に植えられ日本の高度経済成長を支えてきました。

しかし、現在では林業の衰退とともに伐採されずに放置され、花粉を飛ばし続けているのです。

【スギ山のふもとに住む女性】

「そういえば、今、花粉のつかん木を研究して、林業センターってそこで研究しているわけや。花粉のつかない木」

 

『花粉のないスギ』?本当にあるならば夢のような話です。

  

【和歌山県 林業試験場 竹内隆介研究員】

「作った無花粉スギを試験的に山の方に植えている状況です。同じ様に雄花はつけるんですけど花粉をつくる機能がないのが“無花粉スギ”」

 

まだ植えて5年目なので小さいですが、こちらの試験林ではおよそ600本が育てられています。

通常の花粉をゆすると大量に花粉が飛び散りますが、「無花粉スギ」を同じようにゆすってみても花粉はでません。

花粉を飛ばす雄花を開いてみると、通常は中に40万個もの花粉が入っているのに対し、

無花粉のものには、花粉がまったくないことが分かります。 

 

「無花粉スギ」は1992年に富山県にある神社の境内で偶然、発見されました。

富山の無花粉スギと和歌山のスギの遺伝子を交配させ、和歌山の風土に適した「無花粉スギ」を作ろうと、今、研究が進められています。

【和歌山県 林業試験場 竹内隆介研究員】

「今、戦後植えられた木がだいぶ成長していまして、伐採して植え替える時期にさしかかっている。そういう中でこういった品種の開発が急がれている」

 

県は5年後の実用化を目指し、開発に取り組んでいます。

 

【和歌山県 林業試験場 竹内隆介研究員】

「最低でもあと5年先。ものすごく速くて5年、そんなにむちゃくちゃ遠い話ではないですね」 

 

日本人とスギの深い関係。

私たちの花粉症は、もう少し続きそうです。

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