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18時台の特集/バックナンバー

2017年3月1日

個人同士のカーシェアリング…思わぬ落とし穴も

「民泊」ならぬ「民乗り」というのでしょうか。

インターネットサイトが仲介し個人同士で車を貸し借りする「カーシェアリング」が

広がりつつあります。

しかし、サイトによっては危うさも少しずつ明らかになってきています。

貸した車をボロボロにされ乗り捨てられた男性。

インターネットサイトを介した個人間のカーシェアリング。

「なりすまし」とみられる詐欺被害が発生しています。その防御策とは?

街中を走り抜ける高級車。




かっこいいですよね。
でも買うのはちょっと・・・という人たちの間で今、じわじわと人気が広がっているのが「個人間のカーシェアリング」です。

インターネットサイトを介して個人同士で車を貸し借りするもので、高級車に短期間、比較的安く乗れるというメリットがあるようです。

街の人は…

【男性】

「初めて聞きますが、非常に魅力的にはみえますね、サービスとしては」

【男性】

「若い子やったら一日見栄はるためにデートとかで使いそうですよね」

【カップル男性】

「高級車には乗れないじゃないですか、僕たちにとって。

ちょっと気軽に乗れるのはいいなあと」

【カップル女性】

「乗ってみたいです、私は」

 

個人間カーシェアリングとは、実際どんなものなのでしょうか。

 

【記者】

「私も登録しました。実際に落札してみたいと思います」

記者も「カフォレ」というサイトに登録して車を借りてみました。

サイトに登録するには、氏名・住所・生年月日・連絡先、さらに免許証の写真、クレジットカード番号とサイトが義務付ける保険への加入が必要です。

車を借してくれたのは、半年ほど前から「カフォレ」を利用している田部安奈さんです。

 

【田部さん】

「よろしくお願いします」

 

田部さんは週1回ほどしか車を使わず、駐車場代の足しにしようとサイトを利用しています。
まずは、大切な本人確認です。

 

【田部さん】

「免許証を見させてもらって、『写真撮らせて頂いていいですか』と聞いて、写真を撮っています」

 

本人同士が立ち会った上で免許証を提示し身元や車の傷、お互いの保険を確認します。

 

【記者】

「お借りします。ありがとうございます。これで借りられちゃうんですね。便利ですね確かに」

 

本人同士で代金を支払うことはしません。代金はクレジットカード決済で、

サイトが手数料10%を取った上で残りを車のオーナーの口座に振り込みます。

 

【田部さん】

「最初はすごく不安だったんですけどどんな人が借りるのかなって。

でもいい方ばっかりで今のところは。トラブルがあったときが心配かなと

いうのがあるので、身元がわかればというところが一番」

 

このように本人同士が立ち会い免許証を提示することで安心できるはずなのですが、思わぬ落とし穴があるケースも出てきています。

 

【趙陽さん】

「場所はだいたいこの辺です。こちらの駐車場で車を止めて本人に引き渡しました」

 

ことし1月6日、この場所である男性に車を貸した趙陽さん。

車検代の足しにしようと去年12月中旬に「カフォレ」に登録して以来、初めて現れた借り手でした。

北九州から来て大阪の親戚周りや初詣に行くのに車を貸してほしいと説明されました。

 

【趙さん】

「免許証見たら北九州の住所書いているから、話とピッタリあうのでそんなに不審とは思いませんでした。(代金は)落札時点でクレジットカードで(仲介サイトに)支払済みと言われて。もし気になるなら一回キャンセルして目の前でもう一回手続きしましょうかと言われて。私はすごくまじめな人だなと思って」

車を借りた男性の写真です。マスクをし、スーツ姿で落ち着いた様子だったといいます。

男性から免許証を見せてもらい、本人確認をしたのち、20日後に返却してもらう約束で車を貸しました。

しかし、期限になっても車は返却されず、連絡も途絶えました。

趙さんが警察に相談すると・・・。

 

【趙さん】

「わかっている電話番号と免許証を調べたら、すごく怪しい。その免許証はすでに紛失届が出ていますと言われました」

趙さんが提示された免許証は、紛失届が出ていたのです。

別人が免許証の人物になりすまし、車を借りたとみられます。

貸し出しからおよそ1ヵ月後――。

趙さんの車は、大阪西成区で乗り捨てられていました。車体の左側が壊れ、走行できない状態でした。

 

「こんにちは。もうだいぶ直ってますか?」

 

【車の修理工場の社長】

「底がもうボロボロになってたから、おそらく縁石かなにかをダーって越えていったと

思うねん。アンダーカバーも破れていましてね、もう大変な状態」

 

工場の社長の厚意で値下げはしてもらいましたが、修理や鍵の交換で37万円もかかりました。

しかし、サイトの保険の条件である「事故届」を借りた本人が出しておらず、補償の対象外になっているため、すべては趙さんの自己負担になります。

さらに趙さんのもとには、こんなものまで届いています。

 

【趙さん】

「車を貸している間に駐車違反、放置違反金です。18000円です」

 

趙さんには車を貸した20日間の代金、約19万円がサイトから支払われました。

行方知れずの男性がサイトに登録したクレジットカードから引き落されたものですが、このクレジットカードも本人のものかどうか、わかりません。

カーナビには目的地の記録が残っていました。

大阪市内や岐阜、一番遠いところでは名古屋まで。行ったり来たりを繰り返し、1ヵ月で約3200キロを走行していたようです。

男性が車を借りた目的は何だったのか・・・?
警察は詐欺と窃盗の疑いで捜査を進めています。

 

【趙さん】

「こういうことする人は、私は許せない。早く捕まえて欲しいです。サイトもほとんど仲介なので何も責任は負担しないのでこういうことは納得できません」

 

仲介サイト「カフォレ」は取材に対し、「これまで詐欺事件のような大きなトラブルはなかった。 警察の捜査を待って、対応を検討したい」と話していて、ホームページでもこのような注意を呼びかけています。

 

【カフォレHPの呼びかけ】

「契約者ではない別人が借りにきて、そのまま持逃げするという事案が発生したとの報告が入っております。貸借り時に本人確認を徹底いただくことを推奨しており細心のご注意をお願い致します」

 

カーシェアリングの問題に携わる弁護士は・・・。

 

【薮内俊輔弁護士】

「いろんなトラブルが起きれば、利用者が減ることもあるし、規制が厳しくなって従前通りのビジネスモデルが維持できないということもありうるので。サイトの方にも技術的に可能なことはどんどんやってください、と言っていくべき」

 

カフォレ以外の仲介サイトにも聞いてみると、これまでに趙さんのようなトラブルはないということですが、安全性を向上させる対策が検討されています。

個人間でのカーシェアリング。

リスクを考慮した上での慎重な判断も必要です。

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