新学期が始まる中、環境に馴染めない子供も増えています。
NPO法人「ここ」が学習支援などを行うフリースクールには、「不登校」になった小学生から高校生までの約50人が通っています。
【NPO法人ここ 三科元明 理事長】
「夏休み明けからだいたい1ヵ月後くらいは、問い合わせとか相談とか見学がすごく殺到する時期です」
去年からは、コロナの影響による「不登校」が増えているといいます。
【NPO法人ここ 三科元明 理事長】
「(ケースとして多いのが)学校が休校期間に入って、急ピッチで学習をしないといけないところで、今までギリギリ学習についていけてた子たちがこぼれていった」
――Q:学校へ行きたくないと言い出した時点で進んでいる?
「最悪、命を落とし兼ねないことやなっていうふうに捉えてくださるほうがいい」
厚労省の調べでは、昨年度、自殺で亡くなる小中高生が過去最多の479人に。
特に夏休み明けの8月に多くの命が絶たれています。
■「緩く社会とつながれる」キャンプに集う子どもたち
こうした中、「NPO法人ここ」では、子供たちに「緩く社会とつながってほしい」と月に1度、キャンプなどの体験活動を行っています。
高校3年生の蓮那(れな)さんは、中学3年の夏休み明けから不登校が続いています。
【蓮那さん】
「夏休みの宿題をやる気がなくなって全くやらずに夏休みが終わって。出さないのが恥ずかしいからみんなの前で怒られたくないしというので行くのをやめた。自分が良くない子というか、さぼっちゃう劣ってる子んかなみたいな。普通に人生をもうやめたいレベルだったから、手紙に書いてお母さんに渡して。今は、死にたいまではいってなくて(ここで)仲いい子に出会って、その子となんでも話せる仲になって、そこから変わったかなと」
中学1年生の紀乃(のの)さんは、今年4月、入学直後に学校に行けなくなりました。
【紀乃さん】
「コロナになってから、近くにおったらダメやからあんまり話さんといてとか言われて、部活の人とクラスの中での人との関係がぐちゃぐちゃになって、行きづらいなとなって」
小学6年生の健太くんは、3年前「不登校」になりました。
【健太くん】
「泣いてましたね。学校行く時は泣きながら嫌だって。他人が原因ではないんですけど、急にしんどくなってしまって」
――Q:何が原因って訳ではない?
「それ(原因)が分かればいいなって気持ちで、まだ分かってなくて…」
■子どもたちの新たな居場所は「仮想空間」
どうすれば、子どものSOSに気づくことができるのでしょうか。
学校に行きづらい子の新たな居場所づくりを目指しているのは、大阪・八尾市のNPO法人「輝」(かがやき)です。
【NPO法人「輝」浦上弘明理事長】
「家から一歩も出られない子どもたち増えてる。そういった子供たちにICT(情報通信技術)を活用してオンラインでの居場所作ってあげようと思って」
ここでは、学習支援を行う「リアルな居場所」に加え、家から出られない子に向けた「オンライン上の居場所」を準備しています。
9月に始動する仮想空間、その名も「かがやきの森」です。
NPOの会員になった子は、スマホやタブレットから「かがやきの森」に入り、同じ思いを抱える子どもや、ボランティアの大学生とゲームなどで交流します。
この日は、ほとんど学校に行けていないという中学生が実験的に参加しました。
【中学2年生 びくかくん】
「学校の代用とまではいかないかもしれないんですけど、人と交流ということは、この先も大事なことなので、顔合ったらしゃべりづらい子でも、顔合ってないので、しゃべるだけでいいので」
新学期を迎える中、つらい気持ちを抱えた子どもたちのSOSに気づく必要があります。
■24時間対応 無料の相談窓口
○電話による相談
24時間子供SOSダイヤル(文科省)
0120-0-78310「なやみいおう」
○チャットによる相談
検索:あなたのいばしょ(NPO法人)
(カンテレ「報道ランナー」8月25日)