最新の放送内容2012年03月18日(日)
内容
今回の「テレビのミカタ」は「情報にまつわる権利とメディアリテラシー」というテーマです。コメンテーターは桃山学院大学教授で、メディアや映像、特にメディアリテラシーの研究をされている境 真理子先生。ゲストは関西テレビコンプライアンス推進部兼著作権業務部所属で弁護士資格を持つ上田大輔さんでした。法律で保護される情報の中には肖像、プライバシー、名誉、著作物などがありますが、今回は著作物に発生する「著作権」を中心に、冒頭のテーマを考えようというものです。
はじめに、著作権について視聴者の皆さんが気になるようないくつかの疑問をクイズ形式で上田さんに聞き、著作権上問題がなければ「○」の札、問題がある場合は「×」の札を挙げてもらいました。「友人のマンションを撮影して、ブログでアップする。これは問題ないですか?」との質問には「○」の札が挙げられましたが、上田さんからは、「著作権とは別にプライバシー権上の問題になりうる」との指摘があり、視聴者がブログやネットに掲載する際にはいろんな権利に注意する必要があるということが紹介されました。
続いて、上田さんが兵庫県立三田祥雲館高校に「著作権」をテーマに出前授業(=テレビ局の仕事を知ってもらうため関西テレビのスタッフが関西圏の学校に出向いて授業を行う活動)をしたことが生徒さんの感想と合わせて紹介されました。授業は「パロディ」がOKかどうかが争われた事例について、生徒さんから意見を出してもらいながら進められたとのことです。なぜ「パロディ」というテーマを選んだのかについて、上田さんから「著作権者から許諾が下りない場合に新たな表現(創作)活動ができなくなっていいのかどうか。著作権者の利益と表現の自由が対立する問題について、2つの立場から考えて議論してもらいたかった。バランスのある基準を自分たちで見出せるということを体験して頂けたと思う」との説明がなされました。
境先生からは「若い世代は誰かの創造の上に創造を重ねていく。彼らには権利を利用していくために、時代によって変化している「著作権」の概念を柔軟性をもって考えていってほしい」との意見が出されるとともに、「著作権は表現の自由に結びついた重要な権利だが、権利を持つ側が抱え込んで開放しないと持たない者との差が広がっていくし、著作物が埋もれていくことになる」と作品の流通が進まない状況があるとの指摘がなされました。続けて、境先生から、ネットを中心とした動きとして作品の流通を支援する「クリエイティブ・コモンズ(CC)」(=著作権者が作品の利用について意思表示を示すライセンス方式を提供している団体)が紹介されました。これについては、「法改正はなかなか進まないところがあるなか、現行の法の枠組みのなかで著作物の流通を図ろうという草の根の動き。今後拡がればいい」との上田さんのコメントがありました。
番組後半では、視聴者が情報を受領するだけでなく情報を発信する立場となっている現状について話が及び、境先生からアメリカのケーブルテレビ等で見られる「パブリックアクセス」(=市民がテレビを通じて情報発信できるという制度)や出前授業に通ずるものとして「アクセスセンター」(=市民が映像制作を学習できる施設)が紹介されました。最後に、市民が公共空間で発信するのは危険もあり、著作権などの権利やマナーに関するノウハウをテレビ局が提供していくことが重要であるとの指摘がなされて、番組が締めくくられました。
