関西テレビ放送株式会社

元祖うさぴょんの京都絵日記

― 神 品―

2012.01.30

見てきました!「清明上河図」

中国北宋時代の都、開封の賑わいを描いた絵巻です。
中国でも滅多に目にする事が出来ないと言うものです。
今回も、1月2日から22日間だけの限定展示。
これは、美術ファンとしては、見逃せません。
行かなくては、いけません。(笑)

新幹線で東京に着くや、一目散に東京国立博物館へ。

会場の平成館前には、すでに幾重にも人の波が続いています。
入館まで1時間待ちです。

しかも、館内に入ってさらに2時間待ちとの事でした。
こうなれば、穏やかな冬晴れの午後を楽しむしかしようがありません。(笑)
何もなくてもできそうなと、句づくりに挑戦してみました。

並んでも 並んでも 清明上河 人の列 。 字余り〜っ(笑)

日あし延び 清明上河の長き列。

うさ


なお列に身を任せていると、構内から建物の間に思いがけず
スカイタワーが、すっくとそびえているのが見えました。
今までにはなかった光景です。
無聊が、いっぺんに吹き飛びます。
感動でした。(笑)


ようやく中に入っても、列は、1階から2階へと続きます。
見ず知らずの間柄でも、これだけ長く同じ境遇の時間を過ごすと
いつの間にかうちとけて、あれやこれやのおしゃべりも、あちこちで花盛り。(笑)
聞くともなしに聞いていると、年配のご婦人のいわく、先に上海で展観された時、
文字通り飛んで行って(笑)、なんと8時間並んで見たのだそうです。
それでもまた見たくて、また並んでいるとの事でした。
これは、もう、恋と言っていいと思います。
降参です。(笑)

並び始めて3時間後、ようやく目にする事の出来た「清明上河図」。
水墨淡彩。現存の長さ5メートルの絹地に、郊外の水郷の景から始まって、
活気溢れる都市生活を、生き生きと描いています。
人物、一人一人の大きさは、1センチ足らず。登上する人間は、総数773人!

それぞれの場面や、姿、形、表情どれ一つとっても、一つとして同じものはありません。
何よりも、すべてが生きいきとして、町のざわめきや、人々の交わし合う言葉まで
聞こえてきそうです。
出版物では、決して伝わらない奥深さです。
人物だけでなく、建物や、橋、船。どれも、繊細な、しかし、しっかりした線描きで、
そのまま設計図としても使えそうな感じです。

決して大きくない画面には、人の手技を超えた、神の業「神品」と言われるだけの力が
漲っていました。


中国絵画と言えば、今、京都国立博物館でも「中国近代絵画と日本」と言う、ちょっと面白い企画の特別展が開かれています。

中国絵画と言うと、宋や元、さらに明、清の絵を思い浮かべてしまいます。
しかし、今回は、戦前外交官として中国に赴任した須磨弥吉郎氏が、そこで収集した、近代の画人達の作品です。
面白いのは、近代中国の絵画と言うのは、日本の近代化がその中に深く関わっていると言うのです。
まず、西洋画の技法を取り入れた日本画。
そこで咀嚼された技法や理念が近代中国絵画の中に息づいていると言うのです。
何を描くのかと言うテーマ性の中にも、京都で花開いた円山四條派のコンセプトが
見られるそうです。

実際の作品を、彼我取り混ぜて、判りやすく比較展示もされていて、思わぬ影響関係に
目からウロコでした。

東京国立博物館の「北京故宮博物院200選」。
京都国立博物館の「中国の近代絵画」
展観の内容は、随分違いますが、合わせて見る事で今まで気づかなかった中国と言う国の文化の流れと、交流を実感する事が出来ました。

神品「清明上河図」の展観は、1月24日で終了していますが、どちらの特別展も2月中旬頃までなら、ともに開催中です。

まずは、お近くの方から(笑)お出かけになってください。
オススメです。

うさ

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