平成24年1月26日(木)「平成24年新春社長記者会見」が行われました。
概要は以下の通りです。
●年頭に当たって
昨年は、東日本大震災や台風12号、それにタイの洪水等大自然が、私たちの文明のあり方を問うといった1年だった。また、テレビがその根源的な役割を問われた1年でもあった。
関西テレビにとっては「レッスンズ」の芸術祭テレビドラマ部門の大賞や「その街の今は」の日本放送文化大賞準グランプリ受賞、それに「阪急電車」「アンフェア」の映画がヒットする等、コンテンツ制作能力を評価していただいた年でもあった。
今年の課題は、災害情報発信に関して強い局になり、また、完全デジタル化以降増え続けるデバイスにも対応しながら「ライフラインとして信頼されるテレビ局、エリアで最も必要とされるコンテンツメーカー」ひいては、関西断トツのナンバーワン放送局を目指す。
●平成24年3月期第3四半期(平成23年4月〜12月)業績
| 1. 経営成績 | (単位:百万円未満切捨) |
(個別)
| 前期 | 当期 | 前期比増減 | ||
| 売上高 | 45,745 | 45,246 | △499 | △1.1% |
| (営業費用) | (42,489) | (41,876) | (△612) | (△1.4%) |
| 営業利益 | 3,256 | 3,369 | 113 | 3.5% |
| 経常利益 | 3,813 | 3,842 | 29 | 0.8% |
| 特別利益 | 28 | 62 | 34 | 118.9% |
| 特別損失 | 59 | 81 | 21 | 36.7% |
| 税引前当期純利益 | 3,782 | 3,824 | 41 | 1.1% |
| 2.売上高内訳 | (単位:百万円未満切捨) |
(個別)
| 前期 | 当期 |
前期比増減 | |||||
| 45,745 | 45,246 | △499 | △1.1% | ||||
| 44,896 | 44,419 | △476 | △1.1% | ||||
| 39,669 | 40,073 | 404 | 1.0% | ||||
| 13,352 | 13,133 | △219 | △1.6% | ||||
| 26,316 | 26,940 | 623 | 2.4% | ||||
| 5,227 | 4,346 | △880 | △16.8% | ||||
| 849 | 826 | △23 | △2.8% | ||||
放送収入のうち、スポットは東日本大震災の影響が心配されたが、6月以降復調。4月〜12月では前年比102.4%。しかし、タイムは企業の固定費削減の流れが変わらず、前年比98.4%。
その他放送事業収入(放送関連収入)については、映画関連の収入が増加したものの、昨年度実施の「平成中村座」のような大型イベントがなかったことが影響して、前年を大きく下回る。
一方、費用について、制作費は増加するも一般経費等の費用削減が一定の成果を上げた。結果、第3四半期は「減収増益」。
●平成24年3月期通期業績予想
放送収入については、ネットタイム、ローカルタイムは前年をやや下回るものの、スポット需要は引き続き堅調であり、前年実績はクリアできそう。
通期営業利益36億(前年比90.9%)を見込む。
●視聴率
年間視聴率はG全2冠。
今年に入って、1月2日の週以降3冠が続き、現時点で1月は月間3冠。
火曜ドラマ「ハングリー!」が18.2%と絶好調スタート。他の新ドラマもいいスタートを切っており、しっかりと手ごたえのある1月クールとなっている。
問題はバラエティで、4月改編で立て直したい。
●当面の主な番組
「大阪国際女子マラソン」 1月29日(日) 12:00〜14:55
野口みずきさんの欠場は残念だが、福士加代子さんがロンドンオリンピックの切符をかけて走り、タイム的にも視聴率的にも期待される。
「震災関連番組」
東日本大震災から1年の節目を迎えるにあたり、「アンカー」の山本浩之キャスターが、2月11日から3月11日までの1ヵ月間、岩手・宮城・福島の3県に入り、被災者の生の声を紹介していく。
●イベント、ライツ、メディア関連
「クーザ」は132公演、376,100人。キャパ100%の大成功。
今年は「エジプト考古学博物館所蔵 ツタンカーメン展」が3月に天保山特設ギャラリー。ダンスエンタテインメント「バーンザフロア」は、12月「オリックス劇場」。「グータン Premium Night」は、「グータンヌーボ」と連動したスペシャルイベント。1月26日 日本武道館。8500人収容も即完売。
映画「阪急電車」は、興行収入11億円。ブルーレイ・DVDの売上も好調。日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に中谷美紀さん、優秀助演女優賞に宮本信子さん。
映画「アンフェア the answer」は、興行収入23億円。これらを受け、関西エリアを舞台とした映画をさらに2〜3本、関西テレビが主体となって制作し、来年か再来年の公開を目指す。これから公開になる出資映画は、「キツツキと雨」2月11日(土)、「貞子3D」が5月12日(土)公開予定。
動画配信の売り上げは、ここ2年で10倍から15倍の伸び。「阪急電車」は、新たな配信事業者として加わったiTunesにて映画ランキング1位で登場。
デジタルサイネージ関連では、本社1階正面玄関やエレベーター内にて実証実験中。
また、昨年12月から薬局チェーンと提携して番組を制作・配信中。
●関西テレビの独自活動
メディアリテラシー活動では、新たに奈良教育大学教職大学院で、教材化を目的に俳句を映像化する体験学習をスタートした。
「S-コンセプト」は「放射能と食」を3月中旬に放送予定だが、この回を持ってピリオドを打つ。今後は「S-コンセプト」で培った制作手法を活かしながら、科学的要素を含んださまざまな番組の制作に取り組んでいく。
自社検証番組の「月刊カンテレ批評」1月29日の放送は、上智大学・音好宏教授をゲストに迎え、「発掘!あるある大事典U」問題から5年の月日が経過したのを機に、制作者の倫理とは何かを再検証する。
●おわりに
今年は、関西、大阪が日本のホットゾーンになる。震災における東京一極集中の見直しや大阪維新の会旋風にもその端緒が現れている。これからは、大阪に関するより多くの情報を、より早く全国に向けて発信していくことになるだろう。
●質疑応答
Q1 今年3月をもって東北3県も地デジ化が終わり、真の「地デジ元年」となります。エリアで最も必要なコンテンツメーカーになるため、どのような経営戦略をお考えでしょうか。そして、根幹である番組について、どのような特色を打ち出していかれますか。
A1 デジタル化になったからといって、番組の作り方そのものを変えるつもりはありません。今まで通り、新しい企画を開発して、新しいテーマをみつけて、それにそって誠実に作っていくという姿勢は変わりません。出来上がったコンテンツは、いろいろな出口を探して出ていくという時代になりますし、それを積極的に進めていかなければならないと考えています。一つのコンテンツが持つ魅力や潜在力、それを100%フルに引き出していくことが、次のコンテンツ制作に繋がっていくと思っています。いろいろなデバイスが出てきましたが、決して自信を失うことなく作ってまいりたいと思っています。
Q2 暴力団排除条例の施行を受けて、出演者と交わす契約書の中に暴力団関係者との交際が分かった際の契約解除条項を盛り込むことになりつつあります。そこで、実際に暴力団関係者との交際の有無の事実確認をどのように取るのか、実効性が問われると思います。警察権力などへの過度の依存は、かえって放送局の表現の自由、そして自主自立の原則に照らして危険との指摘もあります。今後の取り組みをお聞かせください。
A2 反社会的勢力に対する姿勢は、これまでもずっとありました。我々の放送基準、あるいは契約書の中に一部そういう事も盛り込んでやって参りました。ここにきて、暴排条例が全国的に適用されまして、一層そういった動きが出てきたわけです。改めて、基本姿勢と指針を掲げましたが、これは世の中の動きと歩調を合わして、今までやってきた事をさらに再確認していくということです。もちろん、指針に合わせた契約書作りは、4月改編に向けて今やっているところです。また、暴力団等と交際の有無に関する事実確認は、今までやってきた我々の仕事の流れの中で、トータルとして判断をしていくという事になろうかと思っています。
Q3 生活習慣としてのテレビ離れが言われて久しいと思います。昨夏には原発事故で苦しむ人々を傷つけ、風評被害を助長するテロップ事故も起きました。番組制作の外部委託や現場での派遣社員増加などが局の制作力と番組の質の劣化、士気の低下を招いているという指摘があります。お考えをお聞かせください。
A3 番組は、今まで外部の制作プロダクションの方々と、一緒に組んで作ってまいりました。テレビ局員だけで作れるなんて、誰も思っておりません。一緒になって作る、それが士気の低下に繋がるとは、全く考えておりません。当社も、あるある大事典という試練を、この5年間でどうにか乗り越えてきましたが、その過程でもプロダクションに丸投げするから番組をだめにするとは全く思っておりません。一緒になって番組を作っていくという姿勢の中で、番組の質も上がっていくし、我々の士気も上がっていくと思っております。