わかぎゑふ連載エッセイ「大阪のおばちゃん目線」

プロフィール

ハチプレ!版 第27回

「ゼータク」

今月関わった朗読劇の主催の名前が「ゼータクチク」という。アニメのガンダムに出て来るゼーダチクのパロディらしいが、贅沢な地区と漢字で書いたイメージも悪くない。
今回は急に決まったので、劇場ではなくカフェでの公演だった。急に決まったので、メンバーも少なかった。しかし「急」というのは恐ろしいものだ。「急だけど、三月空いてない?」と連絡すると、「あ、空いてるよ」と答える人が結構いた。

当初3人だった役者が、そのせいで最後は9人になった。小劇場のメジャーどころ、花組芝居や、劇団☆新感線の役者まで加わった。
カフェの公演なので30席ほどしかなく、チケットは本番一週前に売り切れた。
それなのにゲストにコント赤信号の小宮孝泰さんとか、吉本のなだぎ武さん、NHKの朝ドラ「あさが来た」のヒロインの父を演じていた升毅さんなんかがやって来ることになった。「チケット無いのにゲスト来てどうするの?」「なんかゼータクやん」「ああ、そうか」 ということで、なんだか分からないがゼータクという言葉があると、そこに乗って、いろんな現象が起きた。「劇場で食べるお弁当どうしますか?」「ステーキ弁当とか差し入れしようか?」「ええ?なんで?」「だってゼータクなんでしょ」こんな具合で、回って行った。

言葉。むかしは「言霊(ことだま)」と言われ、言葉に霊的な力が宿ると信じられていたそうだ。原始的な呪術なども単に相手を呪う言葉を沢山言うなんてものが多い。今でも植物に「好きだよ」とか「頑張れ」なんていうとすくすく育つ事例もあるらしい。
今回「ゼータク」というキーワードがあったので、いろんな人がその言葉に乗って、一週間の公演期間を過ごした。たまにはゼータク、時にはゼータク、今日だけでもゼータク。長年作家をやって来たが、改めて「言葉ってマジックやなぁ」と思う期間だった。

期間限定だからこそのゼータクだったかもしれないが、人は言葉に乗りやすい。仮に「サイアク」と言ってしまえば、人はそこに乗ってしまうかもしれない。そうなると怖い話だ。
あなたはどんな言葉に乗りやすいですか?
「ゼータク」「トキメキ」「ハッピー」「ツキイチ」「キワメツケ」…何かに乗って、たまには●●して下さいね。