2013年5月11日(土)午前10:50~11:45
“家族”が別れるとき ~チンパンジーと研究員の14年~

“家族”が別れるとき ~チンパンジーと研究員の14年~

ナレーション

樹木希林

番組内容

関西テレビが10年以上に渡り取材を続けてきた岡山県のGARI(類人猿研究センター)。
猛獣指定されているチンパンジーと群れの中で接するなど、世界にも類を見ない信頼関係を築き、数々の国際的成果を上げてきたが、親会社の倒産によりこの3月閉鎖された。
センターができたのは14年前。肝炎ワクチン開発実験に使われる運命にあった幼いチンパンジー“4人”を引き取ったのが始まりである。以来、研究員の不破さんは親代わりとなって世話をしてきた。出産を見守り、育児ができない母親に授乳させる努力をし、夜は添い寝をするなど、まるで“家族”ともいえる付き合い方をしてきた。チンパンジーは8人に増えた。
8人は別の施設に移送されることが決まった。GARIの研究員たちとは離れ離れになる。移送は麻酔を打って眠らせ、1人づつ檻に入れて運ぶ。麻酔は打ち間違えれば命に係わる。
毎朝、朝食時にこっそり注射針を刺し、慣れさせる訓練が始まった。

不破さんはチンパンジーに気づかれないよう移送の準備を行っていたつもりだった。しかしチンパンジーたちは普段と違う空気を感じ取り始める。

14年をともに暮らした、チンパンジーと研究員の別れの日がやってきた。

制作著作 関西テレビ放送