ザ・ドキュメント

2009年3月20日(金)午後3:58~4:53

語り

豊田康雄(関西テレビ放送)

番組内容

ドキュメンタリーの舞台-宝塚で人気の2つの駅前

世界的な金融危機が実態経済を直撃している。生活のなかでも影響はすぐそばにみてとれる。兵庫県宝塚市。人口およそ22万人。歌劇や温泉で知名度が高く、神戸や大阪のベッドタウンで昼間の人口の半分は大阪で過ごしていて中々地域行政に係わりがもてていないのが現状。
古典的な収賄容疑で市長が2代続けて逮捕。一方、駅前再開発ビルが大きな危機を迎えている。阪急電鉄宝塚南口駅前の「サンビオラ」。第3セクターが7年前に22億円の負債を抱えて破綻。テナントは去り幽霊ビル化していたが住民らの再生の取り組みが実り、建て替えに全員が合意。やっとデベロッパーが決まりました。
深刻なのは1つ南の駅の阪急逆瀬川駅前の商業施設「アピア1」。国から補助金を6億円もらい、18億円かけてリニューアル工事を期に隣の兄弟ビル「アピア3」から、2つのキーテナントを引き抜いてもテナントが埋まらず、負債は膨らむばかり。工事関係で生まれた借金約6億円は、市が銀行に債務保証してつなぎ融資でしのいでいたが、3月末に返済を迫られていた。市は財政難と市民感情から「3セクへの税金投入はできない」と赤字の経営実態を知りながら具体的な支援はできないでいた。

破綻の危機-地域との交流で知る市民感覚

約200の小売店舗は運命共同体。ビル管理をする「まちづくり会社」は本来、逆瀬地区全体の支援が基本なのにできていない。それを実践したのは地元の学生と住民たち。地域と交流して消費者・市民感覚がよみがえりギクシャクした関係にあったアピア3と仲直り。「アピアは1つ」と商売人と地域が手を携え再生の兆しが見え、共同イベントが実現した。

なぜ3セクは破たんを選んだのか?

物語は、阪上市長の逮捕で急展開する。市の支援を当てにしていた3セク「まちづくり会社」は負債総額11億円で破たん。国からの補助金6億、宝塚市の損失補償6億、12億円の税金が泡と消えた。箱モノ行政と3セク破綻の構図に市民は慣れっこになっている。カメラは市民の目線で市とまちづくり会社のもたれあいの構図に密着。一筋の光を商売人の意識の変化に捉える。消費者や市民の感覚-不況下の宝塚の冬を見つめた。

スタッフ

ディレクター:塩川恵造
カメラマン:小松和平
編集:日下修平
プロデューサー:土井聡夫

担当ディレクターからのコメント

担当ディレクター 塩川恵造(宝塚市在住、報道カメラ10年 記者10年、ドキュメント制作3年)

舞台となった2つの駅は、私自身が宝塚市に住み暮し、買い物する生活圏。これまで様々なメディアが逆瀬川アピアの再開発の危機を報じましたが、「ここで住み続けたい」という生活者の目線で構成されたことはありませんでした。地元ネタは私自身初めての経験。何も知らなかったことに気付きました。
20年前に生まれた再開発ビルを管理し補助金対策に作られた「まちづくり会社」。赤字経営を引き継いだ経営陣。地権者とテナントの立場。地域・市民との関係。自立しない3セクを支援したくても支援できなくイラツク行政マン。誰の立場で描くかで3セク(まちづくり会社)は全く別に見えます。
番組では、微妙なバランスで操縦されてきた「再開発防災ビル」という船がなぜ破たんしたか垣間見れ、再生させるには何が必要か?市民の皆さんと考える材料を提供できればと映像化しました。

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