ザ・ドキュメント

2008年7月21日(月)

企画意図

商売と暮らしが同居し、街ひとつで生活のすべてが事足りる日本一の商店街「天神橋筋」。
通りは一見のんびりした雰囲気に包まれ、昔ながらの面影を残しているが、その中でも新たな店が現れては消え、消えては現れるといった目まぐるしい日々が繰り返されている。

近年ではとりわけ、韓国や中国をはじめとするアジア系の飲食店が増え、国際色豊かな一面を覗かせる一方で、そこに暮らす商売人にとっては日々厳しい過当競争を強いられているのが現実である。

番組では韓国人女性が切り盛りする店の廃業から再開までを追い、母と娘のひときわ厚い親子愛を通して、下町の情緒とその中に生きる商売人の生き様を描く。

番組内容

「天神橋筋商店街」から裏通りを1本入った焼き鳥店。母親が切り盛りする店の前で、夜な夜なバレエを舞う女の子がいる。小学校6年の優雅ちゃん。路上を舞うその姿は行き交うサラリーマンの目をひき、1日を終えた商店主たちの疲れを癒す。母親の手が足りないときには手伝いをする親孝行な看板娘として馴染みの客に知られていた。この家庭的な雰囲気の店が突然閉店することになった。

母親の英子さんが韓国の釜山から大阪にやって来たのは21年前。家族の不幸と貧困から逃げ出すように故郷を離れ、ツテを頼りにたどりついたのが大阪だった。日本人と結婚して優雅ちゃんを出産。しかし間もなく夫と別れ、ようやく定職にありついたのは6年前、天神橋の居酒屋フランチャイズ店だった。
「ここは生まれた町に似ているから」
天神橋に人情の厚い故郷を重ね、優雅ちゃんに大好きなバレエを続けさせるため、無休で朝4時まで店を開け続けた。しかし無理がたたって病に倒れ、ついに閉店に追い込まれることに。
再起をかけ飲食店を立ち上げようとするが当てもなく、体調の優れない不安な毎日が続く。

そんなとき、心の支えはバレエを舞う娘の姿だった。店から看板がはずれたことを心配し、次第に立ち寄ってくる馴染みの顔。それぞれの理由をもって故郷を離れた同胞らとも触れ合ううちに、やはり商売で生きていくことを決意する。店は豊かな食材と賑やかな食卓が思い出のふるさと、韓国の家庭料理店だった。

いまだ看板のつかない店の前で看板娘が今宵もバレエを舞う。

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