ザ・ドキュメント

2004年9月23日(木)

2004年、夏。日本の映画・TV界には、韓流熱波が吹き荒れています。「韓国スターが日本人に愛され日本社会に圧倒的に受け入れられていることを誇らしく思う」、そう語る多くの在日コリアン。4月、大阪に日本語と韓国・朝鮮語を操れるバイリンガル俳優養成学校がオープンしました。JKミュージカルスクール(大阪市中央区玉造)にはアイドルスターをめざす80人あまりの在日の生徒がレッスンに汗を流しています。Jはジャパン、Kはコリア、二つの文化に根ざす在日こそ、今この時代に過去の「恨(ハン)」を超えて、新しい可能性を拓くことができる、と代表の金智石さんは熱く語ります。
8月の第一回発表会でデビューする中学生5人の少女ユニット「セフィル」(新しい輝き)。全員が大阪市内の朝鮮中級学校に通う3世4世です。「拉致」に驚愕し悩む。また一方で、ワールドカップの日韓共催に南北を越えて歓喜する家族と共に、彼女たちのめざす目標はJ-Kを隔てる海を越えて活躍するスーパーアイドル。ダンス、音楽、演技、ハングル…厳しいレッスンに励んでいます。芸能界・スポーツ界で多くの在日が活躍しながら本名ではなく日本名を名乗らざるを得なかった「差別」の時代。親達がながらく悲しいほどに念願した差別のない「共生」の社会へと今ようやく向かおうとする時代に、本名と言葉をはじめとする民族のアイデンテティーが本当に大切だと考えるようになった在日の家族。韓国スターの活躍は、過去の一方的な「同化」とは異なる、在日コリアンと在日日本人のより良きの未来像を鮮やかに示してくれたようです。

スクールの高校生部で演劇・演技者をめざす鄭真美も朝鮮高級学校に学びながら、国境を越える人生をめざして出発しようとしています。朝鮮民主主義人民共和国系の民族学校から韓国ソウルの延世大学へ進学するのは彼女が初めてのケースです。朝鮮籍から韓国籍に変更したのも、同胞として「対立」から「和解」へ向かう南北双方の市民感情の想像以上の高まりを知り、抵抗感が無くなったからでした。

2004年夏、半島と列島を結ぶ大きなうねり=「韓流熱波」の中で、在日コリアンの新しいスターが生まれるのか。2004年夏、3世、4世と歴史を経てきた人達の現状と夢を描きたいと思います。

関西テレビ ページトップへ戻る