ストーリー

円山克也(平岡拓真)は、団地と学校の往復が日常の中学2年生。平凡な父・克之(仲村トオル)と、地味な母・ミズキ(坂井真紀)、無神経な妹・あかね(鍋本凪々美)と4人暮らしだ。

父・克之は、エロい動画と食後のフルーツだけを楽しみに生きているサラリーマンで、朝はゴミ出しを手伝い、夜は6時にきっちり帰宅する。母・ミズキは、韓流ドラマに夢中な専業主婦。小5の妹・あかねは、まだ初恋を経験していないことを気にしている。

そして思春期真っ盛りの克也は、身体を柔らかくするための努力に精を出している。それは、あるエッチな目的を達成するための「自主トレ」だった。

レスリング部に入部し、熱い風呂に入り、酢を飲む。そして、部活でも風呂でもベッドでも、隙を見ては前屈をする。毎日毎日「自主トレ」に励む克也は、ついに、限界まで背骨を折り曲げると妄想の世界にトリップするようになってしまった。

そんなある日、団地の上の階に下井辰夫(草彅剛)という男が引っ越してくる。いつもベビーカーを押しているシングルファーザーの下井は、妙に団地の主婦の輪に溶け込み、仕事をしている様子もない謎の男だった。学校帰りの克也と偶然会った下井は、エレベーターの中で驚愕の一言を囁く。

「もうすぐ届くよ」

それは、自分だけが知っているはずの「自主トレ」の秘密だった。「なぜ知ってるんだ!」パニックになった克也は、その理由を探るため、少しずつ下井に近づこうとする。

ほどなくして、団地の近くで殺人事件が発生。「あのおじさんが殺し屋だったらどうしよう」という妄想にとらわれ、頭から離れなくなってしまう克也。そして下井を<凄腕の殺し屋=子連れ狼に仕立てたストーリーを妄想ノートに書き始める――。

キャスト・スタッフ

出演
草彅剛

平岡拓真

遠藤賢司
ヤン・イクチュン

坂井真紀
仲村トオル
監督・脚本
宮藤官九郎
製作
「中学生円山」製作委員会
助成
文化芸術振興費補助金
配給
東映